表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第2部一章「百合葉と美少女たちの夏」
244/493

第34話「服の下の百合」

「ぐぅぅ……。なんて恥ずかしいんだ……」



 二重に……いや、三重に恥ずかしかった。カエル君タオルもそうだし、中二病臭くタオルを翻すのもそうだし……。



「まさか、ゆーちゃんから見せてくれるとはなぁー。ゆーちゃんがあたしらに見せたがりなのは大歓迎だぞぉー?」



「もう言わないで……」



 僕はすぐ横の椅子で膝を抱えていた。へへへっ……そうさ……。もう、他の子たちの着替えを待つだけなんだ。うん、一番最初に着替え終わって、セクハラされるのを防ぐことは出来たんだ……。



「ところで、仄香と譲羽は着替えないのか?」



「ほほほっ。それはよい質問ですなー」



「デスナー」



 蘭子の問いに謎キャラを演じる仄香と乗じる譲羽。確かに、仄香は黄色のポロシャツに水色ホットパンツのままだ。譲羽も、フリル付きのチェックパーカーとベージュのハーフパンツ……あっ、なんか下着を確認してる……っ? もしやっ? その手があったか……!



「さあ皆どのも! 我が生き様を~見れーい!」



「皆のドモ。見るがヨイ」



 仄香の変な日本語を、さり気なく譲羽が修正しつつ二人が私服を……脱ぎ去った! いや……その先には……っ。



「馬鹿な仄香……っ。百合葉の後を追うなっ! 頭が余計に悪くなったか!」



「良くなったのまーちーがーい! それよりも蘭たんよっ! これを見よっ!」



「なっ……!? み、水着なのか?」



 驚きを隠せない蘭子に、仄香がツッコむ。そう、彼女らが脱ぎ捨てた先には、もうすでに水着が着込まれていたのだ。



 ただそれよりも、蘭子のツッコミがめっちゃノリノリ……この前の海で完全に打ち解けたのではないかな? と、内心ニンマリ微笑む僕であった。



「ふっふっふー。服の下にあらかじめ着てきたのさっ! どこぞの誰かさんみたいなリスクは背負わないのだよー。しかも失敗してたから焦ったしー」



「履いてるか、確認シチャッタ」



「もーう。ゆーちゃんったら露出狂なんだからぁー!」



「露出狂じゃない……。もういいよ、僕のミスは……」



 椅子に座りながらまたうなだれる。白い灰になっちゃいそうだよ。



 さて。これで僕を含めた四人が着替え終わったのだけれど、僕のカエル君タオル以来、空気のように存在感を消している美少女が一人。 



「そういえば咲姫は? 着替え終わったの?」



 先ほどから全然会話に入ってこないなぁと思って見たら、胸元からパーティードレスみたいに伸びていた薄桃色の布を、下にホロッと落とすところだった。



 えっ? そんなあっさり脱いでいいの?



 と、一瞬ワンピースと見間違えてしまったけれど。

 

「くっ! さっきーもずるいぞー! お子さまだぞー!?」



「あらっ? 誰が使っちゃあいけないって決めたのかしら?」



「咲姫も使ってたんだね……ラップタオル」



「使えるものは使わないと……ねっ?」



 なんて、頬に人差し指を当ててウィンクする咲姫ちゃんでした。ああかわいい。腹黒そうな発言もかわいい。



「ふっ。自分の体に自信が無い証拠だろう」



「あらっ。お友達だからって、何度も素肌を晒すと思ってるのぉ~? 恥知らずなのねぇ~」



「ここは日本だ。温泉でも普通に着替えて居たのだから、郷に従え」



「そんなの、別に規制されてないわよねぇ? わたしの勝手にしますわよぉ~っと」



 咲姫が言ってロッカーの鍵を閉めたところで、プチ冷戦は終わり。静かな空気になる前に、僕はみんなを見渡して、確認する。



「まあまあ、みんなの好きにすればいいじゃないの。それじゃあ気を取り直して……プールに入ろっか!」



「イェーイッ!」



 両腕を上げて大はしゃぎの仄香。他の子たちも、小さいながら片手をあげて、室内プールに進みゆく。



 ちょっと……いや、思いっきり大恥をかいてしまったけれども。



 女子高生のラップタオル着替え。咲姫もやっているなら、大丈夫だと確信するのでした。



 でもカエル君タオルは……次からは止めよう……。ごめんね、カエル君……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ