表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合ハーレムの作り方  作者: 乃麻カヲル
第1部一章「百合葉の美少女集め」
1/493

《第1部一章》第01話「百合葉の夢」

 空を見上げれば、鮮やかな新緑とあおが触れ合いかもすハーモニー。



 地面に目をやると、あまねくそそぐ光の雨に花々が揺れて微笑み返している。



 冬の落ち込み冷え切った空気を溶かすようにつむじ風がびゅうっと吹き抜けて、かたくなに縮こまっていた枝垂しだれ桜の芽を舞わす。



 全てが芽生え、心踊る――



 素敵な季節……っ。



「ボクが君たちを百合の花園へと招待してあげるッ!」



 なーんてっ。舞台役者さながらにバサッと天を仰ぐ。周りに人が居ないとはいえ、心のざわめきを止められないんだ。たっのしっみっだっなぁ~。



 目をつむれば自然と浮かぶ、お姫様みたいな美少女。黒髪ストレートのクールな美少女。やはり恋人にするなら男なぞではなく美少女なのだ。美少女が居れば心が安らぐ。つまりは、美少女こそが平和の象徴なのだから、当然の帰結! しかし、美少女一人だけでは満足出来ないかもしれない……。もっともっと、可愛くて個性的な子たちを……。



 そう。そんな僕の夢は百合ハーレムを作ること。今まさに向かっている姫百合女子学院で美少女達の心を鷲掴わしづかみにし、純粋で清らかな恋をするのさ。



「ごきげんようっ」



「んっ、ああ、ごきげんよう」



 おおっといつの間に……。突然挨拶されて少し戸惑ってしまったけれど、微笑みを向けてくれる女の子に急ぎ爽やかスマイルで対応。大丈夫、自然な笑顔は毎朝毎晩鏡に向かって練習したからね……。大丈夫だよね?



 毛糸のキャスケット帽を被る女子が、だんだんと離れていくのをぼんやり見ながらしみじみ。本当に『ごきげんよう』なのかぁ。地域で有名なお嬢様学校とは聞いていたけれど。



 心の中に少しの不安を残しつつ、新年度の始まりの空気を胸一杯に吸い込んでまた歩き出す。



 学校へ向かうわき道から本道の坂へと入れば、品の良さそうな女の子たちがおのおののペースで学校を目指す。グループを作っておしゃべりしたり、子どもみたいにくっついてはしゃいでいたり……。あっ、読書しながら早足で進む子もいるなぁ……。あういうクールな子を一番オトしてみたかったり。



 事前に配送されていたICチップ内蔵の生徒手帳を入り口の改札でかざし校内へと進む。最近の私立はこんなにハイテクなのかぁ……。税金の無駄を許されない公立校出身な僕は驚くばかりだ。



 自分はどのクラスかな……という恒例こうれいドキドキ儀礼は無く。事前にクラスと番号が知らされているからちょっと残念。ただ案内に沿って教室へとおもむくだけだ。さて僕のクラスは四組のはずで……。あっ、逆のからのぼってしまったみたい。でも、西側の階段から上がればすぐに教室というのは、毎朝助かるかも。

 

 ああ、なんて良い香りなんだ……。



 ロココな装飾が施されているドアを開ければ夢心地。汚い男女が入り混じった空間では決して味わうことが出来なかった、上品で……可憐な……乙女空間……。華の女子校とは都市伝説じゃあ無かったんだ……。



 近くの女子二人に「ごきげんよう」と挨拶。大丈夫、相手も満面の笑みで返してくれたから不自然ではないはずだ……。そんな彼女らは、僕が去ったらまたきゃいきゃいと女子らしいトークに華を咲かせていた。ああ、なんて可憐なんだ……。やっぱり、女の子というのはやっぱり華やかでないとねっ。



 僕……? まあ、女という生き物から少しズレてしまっているモノだから、同じ仲間じゃないかと言われるとなんだか違う。でもいくら中性とかボーイッシュとか言い訳を並べても、華やかさを捨てていい理由にはならないし。だからこれから僕は、このお嬢様学校に溶け込めるよう、優雅に、お上品に、生きていくんだ!



 しかし、ここは華やかな素敵空間。魅力的な女の子ばかりで、花に誘われる蜜蜂のように、目がふらふら移ろってしまう。ダメだダメだ。いくらこれから美少女たちを囲んで百合百合したいからといって、いま品定めするような下品な事をしてはいけない。まずは周りと馴染む事からやらないと。そこから少しずつ仲良く出来そうな美少女を集めるんだ。



 挙動不審にならないように深呼吸をし、席を探す……窓側の一番後ろかぁ。最高にツいてるような、でも周り仲良くしにくい欠点もあったりする。人目につかず隣接する席が少ない分、独りぼっちになりやすいのだ。そういうの、気をつけないとね……。ぼっちは経験済みだからね……。



 と考えながら席にたどり着いたとき、僕は気付いて居なかった。いや、まるで一つの絵画のようにまぶししすぎて直視できなかったのかもしれない。



 僕の隣の席に座っている――



 ――――白銀のプリンセスに――――

とりあえず、なろう上から全部消えてしまったモノはしょうがないので、

加筆修正して最初から投稿し直す事にしました……。


一日一話なんてペースでやってたら、修正終わるのいつになる事やら……。


ペースを早めたいですね_(:3」∠)_


日常回とか書かれているのは、削除前の第2部三章の冬編の続きからになってます。


混乱させてしまいますが、応援してくださる方々、

どうかよろしくです( ˘ω˘ )

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ