#16 使い方次第
手ごたえがある。プレイヤー同士が戦う要素もあるがやはりこれは、カードゲーム。
カードゲームなら、勝機はある。
「反撃開始だ」
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先日、野宿をしていた時のことだ。
俺はカードショップで手に入れたウォリアーカードを、焚き火の光で照らす。
「どうしてこのカードたちはレアじゃないんだ?」
「そんなの見ればわかるワヌ。ほら、このウォリアーカードなんかはオドコストが高いわりには弱いワヌ」
眠そうな顔でフォッシャはおしえてくれた。
「こっちの『クロス・カウンター』はたぶんよくあるカードなんだワヌ。カードショップですごく安く売り出されてたワヌ。この『暴発』っていうのに至っては……言っちゃ悪いけどほぼ意味なしのカードワヌね」
「なんで?」
「だって、相手のカードをタダで使わせちゃうワヌよ? こんなの意味あるどころか、自分にとってマイナスワヌよ。たぶん売り物にすらならんワヌ」
……本当にそうだろうか。
フォッシャの話を俺はどうしても鵜呑みにはできなかった。
たしかにどんなカードゲームにおいても、カードの強い弱いはある。
たとえばこの『暴発』というカード。相手がなんのリスクもなくカードを出せるとしたら、それはただただ相手にとって有利でしかない
だが相手の意図していないタイミングでカードが出てきたとして、それが返って相手にとってリズムや計画を狂わせることにつながる時もあるんじゃないか?
「使い方次第ではこのトリックカード……ただの雑魚カードじゃないかもしれないぜ」
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