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カードワールド ―異世界カードゲーム―  作者: 勇出あつ
ラジトバウム編
27/170

真理追究<リサーチ>カード①


――――――



 仕事部屋には日当たりのよい部屋をえらんだ。今でも気にいっている。


 近々、調査団ちょうさだん遠征えんせいひきいなくてはならない。天変地異による影響を把握するためだ。


 そうなればこうしてゆるりと至福のひと時に浸るのもむずかしい。

 とは言え、市民の安全を考えれば仕事をしないわけにもいかない。

 紅茶を飲みながら窓の外の景色に目をやり、空を見上げる。ついこの間まで紫の雲が天を覆っていたのが嘘のような晴天だ。


「王都諜報局の情報では、反オド勢力は禁断カードを召喚しようとしていたらしいです」


 私がひと息ついたのを見て、部下が報告をはじめた。

 優秀な存在だ。ラジトバウムの保安庁に所属させておくのは惜しい。才の器を考えればしかるべきところにいる人材だが、本人が私の従者でいたいというのだから仕方がない。

 ふだんは妖面をかぶっているが、私のまえではつけないようだ。


「我々が奪われた秘宝、『世界の破壊者』の一部が関係あるかと。伝説上の存在ですが……」


 私は紅茶を持つ手をとめ、もとにもどした。カチャ、と陶器のこすれる音がする。


 空に目をやる。

 平和はもどったのだろうか。いやあるいは、さいしょから平和などはなく、オドの統治の及ばないところでは闇が常にうごめいていたのか。

 

 妙な予感がある。心が急いて、仕度をはじめなくてはならないような気になってきた。これもオドの導きか。


「世界の破壊者……ね……」


 視線をおとし、ティーカップの中の紅茶に水滴を落とすかのように、ポツリとわたしは呟く。



――――――


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