エピローグ
あるとき、突然意識をうしなって不思議な体験をした。
次には俺はどこから知らない一面暗い部屋にいた。下を見ると白い床があらわれて、あるくたびそれは増えていく。
やがて光の球があらわれ、それはだんだんと大きくなっていき神々しい輝きをはなって言葉をはっしはじめた。
「名も無きカードゲーマー。あるいは、スオウザカエイト。はじめまして」
「あなたは?」
「私は神、あるいは女神と呼ばれる者に近しい存在。この世界を管理し、ときに調和をもたらす存在。そしてあなたは……女神のカード」
「女神? カード?」
「カードとは、偉人や遺産を形にのこしたもの。あなたの力は認められ、カードとなった。そして今、世界をおびやかす混沌の闇をはらうために、あなたは私に異世界より召喚された。あなたのやることは私の切り札として来るべき闇とたたかい、これを討ち取ることなのです」
「カード……遺産? 俺が?」
「はい。あなたは私の期待にこたえてくれた。おぼえていないでしょうが、あなたは今まで数々のしかし敵との決戦のなかであなたと私のつながりは切れてしまい、今こうしてふたたびつながることができるようになったのです」
「じゃあ、こっちに来たころのおかしな記憶も……」
「はい。すべてあったことです。今まで何度も、私はあなたに助けられていますから」
衝撃をうけた、というよりも、あまりに予想外の話なので、俺はただ女神の顔をみつめることしかできなかった。
「あなたにはまだやってもらわなくてもいけないことがある。切り札、あるいは私の分身として」
光の塊がニコリと笑うような気がしたあと、もうその場所は全く見えなくなっていた。
意識をとりもどし、いまの幻覚は本当だったのだろうかとすこしの間混乱しながら俺は頭を悩ませた。