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よろしくお願いします!

「ううう……不幸だ……」


 ベッドの端で枕を涙で濡らすセツナ。

 まあ、少々不憫に見えるが……まあ、なんか裏で悪さしてるみたいだし・・・・・・。


 どうでも良いかな?

 しかし、


「皆さん! おはよ……うえぇぇぇ!? 何で床が……しかも……こんな半死体のいるのでは、授業なんて出来ませんよ! はっ! これが今流行の生徒による嫌がらせ!? うぐっ。ぐずっ……もう、こんな学園やめてやるぅぅぅぅぅぅぅ!」


 久々に顔を見た気がする担任のミルフィーユ先生が、なぜか僕をキッと睨み、泣きながら走り去る。

 それはもう、教師に『廊下を走るな!』なんて声もかけられないレベルでだ。


「いやいや、なんで僕? なんで僕のせいみたいに睨んだの!? 僕、今回、ほんのちょっとしか関わってないよ!」


 きっときっと、彼女の背に僕の悲痛な声は聞こえないだろう。


「まあ、セツナが不幸になるのは良いけど、これじゃ授業が進まないな。セツナが不幸なのは良いけど」

「アルサス。なんで二回言った! しかもなんで俺に聞こえるように言った!」


 やや大きな僕の独り言を聞きつけ、復活したセツナの叫びをスルー。

 僕は姉上に向い頼みごとをする。


「姉上。すみませんが、姉上の『影』を貸して……」

「はい喜んで!」


 全てを言う前に、姉上が指をパチンッと鳴らし、


「呼ばれて飛び出てジャンジャカジャ~~~~ン! マイマジェスタの影! ジュークでございま~~す!」


 なんかいつもと違うハイテンションで、姉上の影が目前に現れたのだった。




 え? こいつ、こんなテンションだったっけ?

 それに……。


「お前、ジュークって名前だったんだ!」


 初めて名乗った影改め、ジュークに問う。

 だが、それは悪手だったようだ。


「はう! ソレ! 聞いちゃいます? さすがはマジェスタの弟様! ばれちゃいました? 私の名前、ばれちゃいました?」


 ジュークは待ってましたとばかりに、僕に詰め寄り、


「いやあぁぁぁぁぁ。このジュークって名前。実は、実はですよ! これってマジェスタに付けてもらったんですよ! もう嬉しくて嬉しくて、本名なんて ぽいっ! ですよ!」


「ほう。ジュークとな。確か東洋の小島の国では、一九番目と意味ではなかったかのう?」


 彼のハイテンションに呆然とする僕の横で、ヒルダが反応した。


「はいそれです! マイマジェスタは言いました。『あなた、最近頑張ってるから、何かご褒美を上げる。え? 名前が欲しい? それなら……』って、俺の頑張りの褒美に、名前をくれたんですよ! それで『なら、あなたの名前は私の命を狙って返り討ちにした一九番目の暗殺者だから一九(ジューク)。でどうかしら?』って言ってくれたんですよ!」


 僕は「姉上一九回も命狙われてたんですか!」って叫びたいのだが、


「いやもう感動ですわ! ジューク! ジューク! 良い名前でしょ?」

「え? う、うん」


 これから仕事を頼むのに、ジュークのテンションに水を差すのはどうかと思い直し、曖昧な言葉でその場を濁した。




 いや、思い切り話題がズレてしまった。

 僕は仕切り直すために、軽く咳払いをし本題に入る。


「実はジュークに頼みたいことがあるんだ。実は……」

「はい! 四天王のモーリーの居場所ですか? それなら学園の屋上にテント張って暮らしてますよ? まあ、結構強力な結界張ってるから、私以外が見つけるのは困難でしょうけど!」


「早いよ! 早すぎるよ!」


(仕事が早いのは知ってたが、これって早すぎじゃね?)


 そう思い、反射的にツッコミを入れてしまった僕だった。

最後までお読みいただきありがとうございます!

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