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よろしくお願いします!
「お、お前! 王族である俺に、そんな事してたのか!」
「あらあら? 今は王位継承権を剥奪された、ただの一般市民でしょう?」
「違うね! 先週から俺は王族に戻ったんだからな!」
「あらあら? そうでしたの? では今度は、王位継承式の前日に、それはそれは物凄いお祝いごと言いふらし、やらかしてもらい、国賓の方々に失笑してもらいましょう!」
「うん。それは、それだけは勘弁して下さい!」
姉上の口撃に即座に白旗を上げたセツナが、王家伝統の格式に乗っ取ったドゲザ。
っを披露した。
「ふむ。これだけの不運菌を相手に、被害者はたった一人か? まあ、さすがは勇者一行と言ったことろであ~る! っと言っておこう。まあ、たった一人とは言え、せいぜい仲間の不運に胸を痛めるのであ~る!」
姉上とセツナが言い争ってる間に(ほぼ姉上がセツナを手の平で踊らせているが、)満足そうに自己完結したモーリーが、転移の魔法を使って消えていく。
「えっと……どうすればいいんだ?」
ポリポリと頬をかきながら、『不運菌』なるモノに犯されたセツナを見やるが、
「あらあら? 別に私に被害が無いのでいいのではないですか?」
「そうじゃの。きゃつが撒いた不運菌なるモノは、皆抵抗出来たみたいじゃからのう」
「え? え? 俺は? 俺この女のせいで、俺だけが不運に見舞われそうなんだけど!?」
っと叫ぶセツナが姉上を指さすと、
ぺちょりっ!
そうの指先を、狙ったかのように落ちてきた鳥のフン。
「ほら見ろ! これどうすんだよ! どうにかしろよ!」
っと言って勢い良く振るった腕から、放たれたソレは、
「うげっ!」
なぜか慣性の法則を完全に無視し、彼の額にへばりついた。
「「「「「……………………………………………………」」」」」
地面に膝を付く彼に、どうやら地味に、だが確実に不運菌は感染しているようだ。
そんな彼に、
「あらあら、お可哀そうに……良ければこのハンカチをお使いください。いえいえ、返さなくて結構ですわ」
意外に優しい姉上だが、
「アル。この方、どなたでしたっけ? いつも私たちの後を、迷い犬のように付いて来ているのは知っているのですが……」
どうやらほんの少し前まで婚約者だった彼は、姉上の記憶に微塵も残らなかったようだ。
(いや実は姉上、絶対楽しんでますよね?)
とにかく、不運菌なるモノの対策を立てようと思ったのだが、
「……もういい」
姉上の言葉が止めになったのか?
セツナはが急に立ち上がると、
「俺は、俺は……このまま不運を背負って生きていけばいいんだあぁぁぁぁぁぁぁ!」
っと、涙目で走り出し、
「まだ生徒がいたのか? 早く家に……」
「ぎゃふん!」
戸締りを確認しに来た用務員さんが明けた扉の角に、顔からぶつかっていくセツナ。
うん。
これは不運菌のなせるわざか?
それともただ単に、彼の前方不注意か?
何とも甲乙つけがたい案件だった。
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