閑話:姉上の決闘というか、やや、いやほぼ戦争? と言う名のお見合い(前編)
祝! ブクマ999記念!
いや、本当は1000の大台に乗ったらとか思ってたんだけど、
なかなかそこまで届かなくて・・・・・・。
あと、普通にバカなこと書きたくてやりました!
後悔は・・・・・・多分してない。
姉上一二才。
僕が一〇才になった、ある春の日の午後。
「あらあら? アル? どこにいますの? ちょっと、ほんのちょっとあなたに名前を書いてもらいたい書類があるのですが……」
結婚証明書を片手に、タリスマン家ご自慢のバラが咲き誇る庭を、優雅に、だが高速で駆け抜ける姉上。
「僕に何のサインを書かせようといてんだよ!」
気配を絶ち消し、なけなしの魔力まで使い存在を消した僕が、誰にも気付かれないよう毒づく。
なのに次の瞬間には、ポンッと僕の肩に誰かの手が置かれた。
マジかよ! さすがにこれで見つかったら詰んでねぇ?
そう思い、肩から伝わる熱をたどって視線を向けると、
「若様。旦那様がお呼びです」
僕を見つけ淡々と要件を言って来るのは、姉上ではなく先日、僕付けのメイドになったユキナ(現在一六才。常時恋人募集中❤)だった。
「え? なんで? なんで見つかったん!?」
素になった僕を、どうか許して欲しい。
だって、姉上に見つからない隠ぺい術=王城に入って王の寝室まで余裕行ける! だよ?
なのになんで侯爵家のいちメイドに見つかるの?
そんな疑問が顔に出てただろう僕に彼女は、
「はい。それがこの侯爵家のメイドの仕事です。さっ、ここから右に抜ければ、お嬢様に見つからずに済みますから」
なんて、こともなげに淡々と語った。
うむ。
侯爵家、侮れない。
ともあれ、この場から逃げられるのなら僕も反論は無い。
彼女に導かれるまま、父上の待つ書斎へと向かった。
そこには!
「ようアル! 早かったな」
決して煌びやかではないが、価値が分かる人間には分かる値の張る装飾品が並ぶ部屋に、
これでもか!
っと言うほど飾られている家族の魔写真が溢れていた。
そんな品があるのか無いのか理解に苦しむ書斎には、
春だというのにゴウゴウと炎を揺らす暖炉に、山積みの紙の束を投げ入れる父上の姿があった。
「父上、また姉上の釣書を燃やしてんですか? そんなの、姉上に全部渡せば……」
何の気なしにそんなことを僕は言葉途中で、はたっと気が付いた。
「ははっ。これがそれを提案した結果だ」
正面を向いた父上の右頬が、有り得ないぐらい膨らんでいたのだ。
「……姉上。力加減間違えましたか?」
「いやいや、父親だからこれで済んだんだよ。だって俺の忠告を聞かずにシルに直接見合いを迫った公爵家の使者(死者)なんて……本当に後始末が大変だったんだから」
使者? 死者?
なんか、聞き間違いにしたいような言葉が聞こえたが……。
うん。聞こえなかった事にしよう。
「で、僕がここに呼ばれた理由は?」
自分の苦労話をしたそうにしてる父上を、あえてスルーし『さっさと話せよ!』っと視線で訴えた。
そんな僕に父上は、
「これだよ!」
ため息混じりに投げてよこしたのは、厚紙に金箔が施された釣書。
なんとなく予想が付いたが、確認のためにそれに目を通す。
「…………うん。南西の王国、ソンザエルの第一王子からじゃないですか!」
どうやら姉上の魅力は、他国まで行き届いてしまったようだ。
「それで、どうすんですか? さすがに僕でも姉上に『この国に嫁に行け!』なんて言えませんよ? そもそも姉上を国外に出すなんて、この国の大損失以外のなにものでもないですよ?」
僕が勇者失格になってから数年。
姉上は僕が批判を受ける数倍、王都の周りの魔物を駆逐している。
駆逐しすぎて、近隣の国までその恩恵を受けるほどだ。
ソンザエルはそれが分かっていて、それでも姉上を求めるというのか?
思わず眼光が鋭くなる僕に、父上は釣書を暖炉に投げ入れる手を止め、
「分かってる。分かってるんだけど、なんか、こいつがしつこくて」
僕の持つ釣書を指さす。
「いつもの姉上が婚約するための条件は送ったんですよね?」
姉上の婚約者になるには、いくつかの条件がある。
ひとつ。身分はそれほど問わないが、嫁いだ先で本妻になること。(側室とか愛人にとかいう輩は侯爵家が全力を持って排除する)。
ひとつ。例え王族でも姉上が気に入らなければ、しつこく付きまとわないこと。(それを破った場合……まあ、分かるでしょ?)。
ひとつ。婚約者は自分(姉上)より強いこと。
ひとつ。婚約者はタリスマン家の次期当主。アルサス意外ありえないこと!
ひとつ。『もう、アル以外考えられませんわ!』
『侯爵令嬢が舐めた条件出すなよ!』
僕もそう思ったのだが、なぜかその条件は王国と隣国には周知の事実として受け入れられていた。
それと婚約者の条件は三つだと思ったのだが、最後の二つはなに? 僕知らなかったんだけど?
理由を求めるように父上に視線を向ける。
「うん。だってだって、『これを婚約条件に入れないと、お父様を嫌いになりますわ! さらに……』なんてシルが言うんだよ! それはもういれなくちゃならないだろ? だって俺、そんなに臭くないのに! 加齢臭なんてまったくしないのに! それ言われたら……」
マジ泣きしてくずおれる父上。
まあ、姉上大好き父上にしたら、当然の結果だろう。
それ故に、ソンザエル王国の見合いを押すのが解せないのだが?
「だって、シルが嫁に来たら、あの国しでしか取れないレアメタルを優先的にシュタイン王国に輸出するって言うし、シルとの決闘も受けるって言うし……会うだけならって……」
地位と名誉と責任がある父上の、苦渋の決断だったのだろう。
仕事仕事で姉上の本質を知らないのだからしょうがない。
「分かりました。このお見合い、僕の方から姉上に言っておきます。それと…………」
父上も、なんでアレだけ(ユキナを含む情報収集やら隠密に長けた)の者を従えてて、姉上の事を知らないんだろう?
まあ、これはこれで良い機会だろうと、金色の釣書を手に持ち僕は父上いろんな許可を得て、にこやかにこの件(姉上のお見合い)を了承した。
なんか、調子こいて書いてたら、結構な文字数になったのでいったん切ります。
決して「ぐへへ! 後半は大台に乗ったら投稿じゃ!」なんてことは・・・・・・。
ほんの少ししか考えていません!
全然考えてないと言えないところが、作者クオリティー。(大人って汚い!)
それと、ブクマ以外にも評価、感想などくれると嬉しいです!(さらに要求だと! やはり大人って・・・・・・)




