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よろしくお願いします!
「くふふふふ! いきなり影から出てきて驚いた? ねえ驚いた? 我は魔王軍最強の頭脳を持つ、魔王軍四天王の一人、ハイエルフのデグルドであ~る!」
デグルドと名乗る四天王は、いつかどっかで見たことのある、一般市民の少女が魔道具の杖を貰い魔法使いになって、秘密裏に悪い貴族などを退治する劇の『魔法少女』なるドレスとは違った意味でキラキラしていいる衣装を身に纏い、杖を姉上に突出し魔法少女がするキメポーズなるものをしていた。
まあ、異常に膨れ上がった頬が気になりすぎて、せっかくのキメポーズも入ってこないのだが、
『どうだ! 驚いただろう!?』
なんてキラキラした目をしているデグルド。
まあ、姉上が指弾を放った時点で、予想は付いていたのだが…………。
ここは彼女の顔を立てて、驚いた方が良いのか?
そもそもこの場にいない僕は驚くべきなのか?
そんな迷う僕を余所に、
「あらあら? 彼女の影に何かいることは知ってましたわよ? 正確に言えばこの町に来る前から……」
空気を読まないことで定評のある姉上が、ニッコリとほほ笑んだ。
「え? うそ! 知ってたの!? いやいや騙されないわよ! だって私、魔王軍一の隠ぺい魔法の使い手ですもの! 知恵者デグルドですもの!」
姉上の言葉に一瞬うろたえるも、なぜか何の裏付けのない自信を発揮し、ささやかな胸を張った。
そして胸を張りすぎでこけた。
なんとも頼りない四天王だが、それが幸いした。
ヒュンッ!
一瞬前までデグルドの首があった場所に、何かが高速で通り抜けたのだ。
「あらあら? 外しましたわ」
それは、いつの間にか彼女の目の前にいた、姉上の鉄扇の一撃だった。
「何今の? 危なかったことだけは分かったけど! 風切音だけで何にも見えなかったんだけど!?」
姉上の一撃の余波で、整った前髪を風に揺らしながら、目の前に現れた姉上を凝視するデグルド。
そんなデグルドは最高の笑顔を向た姉上の、
「あらあら? 大丈夫よ。痛いのは一瞬で、すぐに楽になりますわ!」
振り下ろした一撃を、
「のひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
間一髪。
腰が抜けたまま後ろに転がるようにして避けた。
「ひっ! ひえぇぇぇぇ!」
そして己の股先数センチの所で、一瞬前に出来た底の見えない穴に、引きつった悲鳴を上げた。
「あらあら? これも避けますの? さすがは四天王ですわね」
うそだ。
姉上は自分のおもちゃ…………いや、仲間を裏切らせた相手に、かなりご立腹なのだ。
モニターに顔は写らないが、聞こえる言葉の端々に怒りが込められているのがその証拠だ。
「ワ、ワタシ、コレデモシテンノウヨ! トテモツヨイヨ!」
顔を引きつらせながらも、片言で強がりを言うデグルドに、
「あらあら、それでは四天王様相手に恥じぬよう、普通の魔物では塵も残さぬほどの気合のこもった一撃でお相手いたしましょう!」
いまだ腰が抜けて立てないデグルドの目前で、物凄く闘気を高め鉄扇を振り上げる姉上。
そこに、
「何やってんのよ! あんたには、私が渡した最終兵器があるでしょ!」
「ああ! そうだった…………けど、本当にこれが最終兵器なの?」
四天王も戸惑う、ミナの最終兵器とは?
僕でさえ興味を持ってしまうものだ。
当然。
「あらあら? それは気になりますわね…………いいでしょう。それを出してみなさいな」
興味津々の姉上が振りかぶる手を止め、ランランと目を輝かせた。
「うぬぬぬぬ。これにどれほどの効果があるかは、『知将』と呼ばれた私でも分からぬが……見よ! これがお前に対する最終兵器だ!」
そう言って、なぜか頬を染めながらデグルドが懐から出した、黄金に輝くそれは!
ぱらんっ!
うん。
何だろう?
なんか、物凄く見覚えがある物体だった。
その物体に、思わず思考が止まった僕の耳朶に、
「そうこれは、こっそり学園の寮から盗み出した、アルサス様のパン…………下着よ!」
羞恥のためパンツと言わずに下着と言い放ち、勝ち誇った様にデグルドがかかげる金糸で出来た、なんか極端に布地面積の少ない、いわゆるブーメランパンツなるモノを指さすミナ。
確かに見覚えはある。
だってそれは…………。
「ああ! そ、それは! アルが私との最高の夜を迎えるため誕生日に贈った『勝負パンツ』ではありませんか!」
それは去年、姉上が誕生日プレゼントとして僕にくれたモノの一つなんだから………………。
昨日は更新できずに済みません。
例のアレです。
さあ、なんかものすごくひどい場所で切りましたが、四天王編第二部(今初めて二部って言った気がする!)もクライマックスです!
そのはずです!
エタらぬよう頑張りますので、応援よろしお願いします!




