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よろしくお願いします!
「うおぉぉぉぉぉ! ここで頑張れば、俺は王族に戻ることが出来る!」
氷の道のわきに立つ、動けない魔物を、元王子であるセツナが斬り倒す。
どうやらセツナは魔王退治に同行し、見事魔王を退治したら、王族に復帰できるみたいだ。
そしてミナは、
「はい! アルサスくう~~ん! 私頑張ったでしょ? だから、もう、この首輪は……うぎゃ!」
ネコ撫で声で近寄って来た彼女に、どこからともなく飛んできたドングリが後頭部に直撃。
「あ……ぐあ……あ、ああああ!」
その痛みによって、地面を転げまわっている。
忘れているかも知れないが、前回の津波で僕が彼女と取引したのは、
『姉上が首輪の強制力に、死に関する言葉を使わせない』
だった。
もう分かってると思うけど、姉上が彼女を、壊すことは無いと知ったうえでのことだ。
まあ彼女、知らないみたいだから言わないけど……。
話が反れてしまったが、一応そんなこんなで、わずか三日で魔王城にたどり着いた。
とにもかくにも、ここが正念場だということは確かだ。
なんか回想してたら、物凄く気の抜けた自分を叱咤激励し、僕の言葉を後世に残そうとする二人の淑女に見えるように、姉上の『影』が、そっと演説用のメモを渡してきたのを遮るように、腰の剣を引き抜き天に向けた。
「数多の犠牲……は、ほとんどないけど! とにかく僕たちはここにいる! ならば進もう! 懺悔も後悔も、この戦いが終わってから、平和な世の中になってから、好きなだけしよう!」
上手く言えたかも分からない、即席な僕の言葉に、
「はい! 全ては世界の平和のために!」
爽やかに片手で髪をかき上げ、剣を天に掲げる元勇者のジオルドと、
「はい! 私もあと四、五杯はいけます!」
げっぷをしながらも、マリアーナが胸元で聖印を結ぶ。
まあまあ、ここまでは良かったのだが……。
「あらあら、私も、世界の平和を願ってますわ!(そうでなくては、アルとのイチャラブ新婚生活が邪魔されてしまいますもの!)」
「そうじゃな。わっちらの心を一つにするのじゃ!(もちろん。わっちが心と身体を一つにするのは、主殿じゃけじゃがのう)」
邪な心の声が聞こえる姉上やヒルデは……まあ、いつもの通りだとしても。
「これで俺は、王族に戻れるのだ!」
「ねえねえセツナ様! セツナ様が王族に戻れたら、私のこの首輪! 外せますよね? ね? ね?」
キャッキャッと騒ぐ、欲望むき出しのセツナとミナにと、
「魔王の一撃とシルヴァーナ殿の一撃……。さて、どちらが我の心を揺り動かすのか……楽しみである!」
とりあえず、こいつは無視しておくこう。
それにしても……。
仲間って、一体なんだろう?
まあ、それを考えるのは、コレが終わってからにしよう。
そう思い直し僕は、
「さあ、これが最後の戦いだ!」
気を取り直し、魔王城の最上階の扉を一気に開いたのだった。
ブクマ、評価、ありがとうございます!
次回、魔王との対決!
お楽しみに!




