11
調子のいいうちに、こっそり更新!
「え? もう! お姉さまってばおっちょこちょいなんですから……それで、いったい何枚割ったんですか?」
「ああ。『さらわれた』と『皿割れた』をかけたボケね。そりゃ姉上だったら…………」
「アルサス様なんでそんな冷静にツッコむんっですか! 物凄く居たたまれないんですけど!」
ミナのボケを一蹴する僕に、
「はあ? さらわれるってのは、確か物語とかでか弱い女性とかが悪者に力付くでって、アレだろう?」
「ぐびっ! 確かにそんな感じですよね?」
ジュークからもたらせた報をセツナは鼻で笑い、マリアーナが魔力回復薬を煽りながら首をかしげる。
まあ、そうだろう。
だってあの姉上は、そんじょそこらのヒロインとはわけが違う。
むしろヒロインのピンチに颯爽と駆けつける、ヒーローのポジションだと思う。
「まあ、それでも、ジュークがそう言い切るんだから、それなりの証拠があるんだろ?」
最近、ちょっと影の癖に表にですぎ!
とか、
名前貰って浮かれすぎ!
なんて思うけど、それでも裏稼業では大陸でほぼ最強だろう彼が言うのだ、何かしら理由があるのだろう。
そう思ったのだが、
「はい。何もないんです」
彼は戸惑う様に眉間にシワを寄せ、そう言い放った。
「え? 姉上が『私さらわれちゃった!? アル早く助けに来て!』とか、『娘さんは預かった。命が惜しけりゃこの書類に侯爵令息がサインして今すぐ役所に届けて来い!』とかの脅迫状が姉上の部屋に置いてあったとかじゃないの?」
「なんですかその、女帝様が飛び上がって喜びそうな脅迫文は! そんなの有る訳ないでしょう! そんな都合の良い脅迫文があったら見て…………ん!? なんですかこれ?」
「今お前が見てみたいもの」
僕は懐にあった手紙をそっと彼に渡した。
その手紙にさっと目を通すと、彼は、
「………………………………うわぉ!」
ポツリッと囁き、何事も無かったかのようにソッと僕に手紙を戻した。
まあ、世の中には知らなくていい事ってあるよね!
「それで、お主の言う何もないとはどう言うことなのじゃ?」
ある程度予測できたであろうヒルダが、手紙の事には一切触れず話を進めた。
「はい。私が調べた限り、女帝様の痕跡が昨日の夕方までで、その後の消息が一切不明なんですよ! アル様何か心当たり有りませんか?」
「昨日の夕方から?」
影としてのプライドを投げ捨ててまで、姉上の心配をするジューク。
それに応えるべく、僕は昨日何があったのかを思い出すのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
こう見えて作者、中々立ち上がらないパソコン。
調子いいかな? って執筆始めれば、保存し得てないのに勝手に電源が落ちるパソコンと、
日々戦っております!(早く新しいパソコン買えよ!の声はスルーの方向で!)
心が折れかかっている作者に、どうか救いの手を!
(簡単に説明させていただくと、ブクマや評価、感想が欲しいです!)