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みなさんお気づきだと思いますが、作者はアホです。
なので、たまに暴走します!
そして、
ラインハルトと出会いがインパクトありすぎ呆然としてしまった僕は、姉上に誘われるままに店に入ってしまった。
そこで僕は!
「これはこれはシルヴァーナ様! ようこそおいでい下さいました!」
「うん。セバス。久しぶり…………」
タリスマン侯爵家の筆頭執事であるセバスと、ずらりと並ぶタリスマン家のメイドたちに出迎えられていた。
「うんセバス。これはなんて言う冗談なんだ?」
頬が引きつりまくってる僕に、
「これはこれは! もしかしてあの有名な勇者アルサス様ではありませんか! さすがはシルヴァーナ様! 良き伴侶をお見つけになられました! 私たち一同。心より祝福致します!」
「おいおっさん。いつものポーカーフェイスはどこ行った? 思い切り引きつった笑み浮かべてるぞ! それになにその棒読みな台詞。何年か前に一緒に行ったシルバニア共和国との停戦協定よりもダイコンなんだけど?」
そんな僕の素のツッコミに、
「はい。あの時は五〇〇の我が軍に対し、たかだが二〇〇〇の兵に包囲されていただけですから」
なんて、こともなげに答えるセバス。
彼にとっての絶体絶命ってなんなのだろう?
そんな僕の葛藤を余所に、
「あらあら、支配人さんありがとうございます。でも、彼とは婚約もまだなんです。だから今日は、婚約の予行練習ってぐらいなんですのよ」
なんて恥じらいながらも、優雅に姉上が笑うと、
「はっはっはっ! それはそれは、初々しいですな! では本日は、『子作りコース』では無く、『新妻。もしくは婚約者の家に遊びに行ったら、彼女の可憐さに思わず…………(にやんにゃん)コース』ですね!」
心得たとばかりにセバスが答える。
「なにそのコース! しかも(にゃんにゃん)ってなに? 物凄く気になるんですけど!」
「はい、そのコースでお願いしますわ!」
「かしこまりました!」
「お願い! 僕の話を聞いて!」
僕のツッコミ虚しく、
いつの間にか姉上に腕を組まれた僕は、店の奥へと連れ込まれていった。
「お帰りなさいませ旦那様。お食事にします? お風呂にします? そ・れ・と・も! いつものように朝までケダモノコースですか? きゃ!」
「きゃ! じゃないでしょ! それにいつものケダモノコースってなに?」
「それはもちろん。仕事で疲れた旦那様が、新妻に己の欲望を思う存分……」
「わぁ~! わぁ~! いや、いいです! 詳しく聞きたくないです!」
あれから僕は、無駄に広い店の二階につれてこられ、店の中にある『新婚宅セット』と書かれた扉を開け、エプロン姿の姉上の歓待を受けていた。
王都の一等地に、なんでこんなの作ったの?
とか、
この資金、どこから出たの?
とか、
ここの建築許可出した責任者出て来い!
とか、
そう叫びながらも、きっと死んだ魚の目になっているだろう僕に、
「はい! 土地はここにいた人たちのご厚意で、資金は事情を知った方々の融資で、建築許可は、私が行ったらすんなり通りました!」
僕の思考を読んだ姉上が、口元で手を合わせて答えてくれた。
その仕草はとても可愛いが、後で関係者一同を説教しようと心に決めた。
そんな僕に、
「あらあら旦那様。お仕事で疲れているのですか? 眉間にシワが寄ってますわ! これは、特別リフレッシュ案件ですわね!」
「いやいや、これはこの状況が…………って、なんで脱ぎ始めてんですか!」
事態に付いていけず、こめかみに指を当てる僕を見て、なぜか姉上が脱ぎ始めた!
「あらあら? だって『新妻教本』の中に、『夫が疲れている時には、裸エプロンで視覚から攻め、それでもダメならおくち…………』」
「うん。その『新妻教本』を書いた著者は誰? 必ず見つけ出して説教してやる!」
そう心に決めた僕は、なんとか姉上の行動を止め、普通に食事をする方向へと持って行った。
この時点で僕は、単純に大会の必要事項を書き換えてた方が、よっぽど楽だったのでは? っと思い始めていた…………。
最後までお読みいただきありがとうございます!
さあ、囚われの身のアル(笑)はどうなってしまうのでしょうか?
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