最終章3:え? なんでいきなり大陸を巻き込んだ競技会?
ご無沙汰してます!
久しぶりで恥ずかしいので、
こっそり更新です!
『これより、第一回、大陸代表六国選手権を始めます! 各国の代表者前に!』
それは太古の時代。
『天高く馬肥ゆる』
とまで言われた秋晴れの下。
シュタイン王国の学園の校庭に、魔法具で拡張された声が響く。
これから大陸の主な国六か国が約一ケ月をかけた、一八才以下の生徒らによる戦いが始まる!
まあ、生死を賭けてとかじゃ無く、いわば大陸の国同士、仲良く交流しましょ! ってなレクエーション的なことなので、それほど気張らなくても良いはずなんだけど……。
「うおぉぉぉぉぉぉ! お前らの活躍! オルスマン王国の威信がかかってるのだぞ! 死んでも気張れ!」
とか、
「我がアルムデム帝国の魔術は大陸一! それを証明するのだ!」
とか、
「隣国で、ブランド様の竹馬の友であるアルサス様に栄光を!」
とか、
「開催国であるシュタイン王国に、絶対的勝利を!」
とか、
いろんな国のいろんな思惑があり、しかも、その国々が狙う今回の優勝賞品が何かなんて、僕は知ってるけど知らない!
まったく、これっぽっちも、知らない…………ことになっているのだ。
だって、今回、この国が提示した優勝賞品は……。
『なお、今回の総合優勝賞品は…………シュタイン王国侯爵令嬢のシルヴァーナ・タリスマン様を一日口説ける権利を差し上げます!』
「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」
王族とか平民とか関係なく、アナウンサーの言葉に最高潮の盛り上がりを見せる会場。
そんな彼らに、僕は色々と叫びたい。
(ねえ、バカなの? 君たちバカなの? 二週間前に開催を聞かされ、参加国やその人数。さらに招待する人数や宿泊する宿屋。それを全て学園生徒会に丸投げした王国もそうだが、それだけ聞くと、たかが姉上を口説く時間のために、大陸中からこの数の人が集まったの!?)
もしかしなくても姉上の美貌や強さ、武勇伝やら伝記が、大陸中に浸透しつつあるのは知ってる。
国々に被害の無いまま終わった、魔王を討伐した僕よりも人気があるのは知ってるし、それはとても誇りに思う。
だが………………。
色々おもうとこのある僕の思考を、魔法具から発する声が遮った。
「あらあら? 今、ご紹介に預かりました、シュタイン王国侯爵令嬢、シルヴァーナ・タリスマンですわ。盛り上がっている所申し訳ありませんが、優勝はこのシュタイン王国! さらに言えば、私の愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して止まない、愛弟のアルサス意外にありえませんわ!」
なんか、知らないうちに僕への変なハードルが上がった!?
しかも、『何言ってんだこいつ?』っと姉上に向けた僕の視線は、
「あらあら、それに…………愛しい愛しい愛弟が、私を求めるのなら…………私は、私は…………」
頬に両手を添えてイヤイヤとする姉上に良いように取られ、
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」
なんか、一部以上の国民に受けいれられてるだと!!
「いやいや姉上。僕にどうしろと? しかも盛り上がってる奴ら、姉上が言ってる事の半分以上分かってるの? 姉上普通に僕意外に口説かれないって言ってるんだよ? なんで盛り上がってるの? ねえバカなの? やっぱバカなんだよね!」
思わず叫んだ僕の声は、
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ! シルヴァーナ様ばんざい! シュタイン王国に栄光あれ!」」」」」
訳の分からない会場の声援に掻き消された………………。
最後までお読みいただきありがとうございます!
お待たせいたしました最終章3です!
おいおい最終章っていつまで続くんだよ!
って思った読者の方々、作者もそう思います!
でも、本当にもうすぐ終わりですから!
なので、最後までお楽しみください!