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僕に初めて対等と思える友人が出来た!
そんなある日の午後。
「「「さあアル!」」」
僕は彼らと一緒に、昼食を取ろうと和気あいあいと教室を出た僕らの前に、
どかっ!
突然現れた姉上が、僕の方を向いていたデイトに、
「おふっ! こ、これは済まな…………」
「あらあら? 侯爵家の私にぶつかって来るなんて……いくら留学生でも万死に値しますわ!」
扇子で口元を隠し、デイトの謝罪を遮る姉上。
さらに、
「これはシルヴァーナ様。我が国の者が失礼した。私からも良く言い聞かせておくので、今回は穏便にしてくれると助かる」
ゼフト王国第三王子であるブランドの謝罪も、
「おだまりなさい! ゼフト王国の王族風情の謝罪で、私の気が収まるとお思いですの!」
らしくない突飛で高飛車な姉上の態度。
さすがにこれは不味いと……。
「止めて下さい! 私が、私が悪いんです! だから、私のために争わないで!」
僕が口を出す前に、突然現れたアンネが姉上とブランドの間に躍り出た。
のだが、
「ブランド君たちは悪くないんです! 全部私が悪いんです! 私が、私が可愛すぎるか……ぎゃふん!」
アンネは、どこからともなく飛んできたドングリに額を撃ち抜かれ、
「どうぅぅぅぅぅぅぅん!」
奇妙な声と供に廊下に大の字に倒れ込んだ。
「あらあら? ゼフトの方々は、奇妙な生き物までこの格式高い学園に持ち込んでいるのですか?」
さらに煽ろうとする姉上に、
「あ、いやコレのことは本当に申し訳ない」
「あら? いえいえ、これはご丁寧に……」
ブランドの素直な謝罪に、これまた素直に謝罪を受け取る姉上。
「と……とにかく! コレに対しては(面倒くさそうなので)不問にしますが、あなたたちの無礼は許しませんわ! これは国際問題ですわ!」
ばばあぁぁぁぁん!
っと効果音が出そうに口元を隠していた扇子を閉じ、それをそのままブランドに向けて突き出す姉上。
おかしいな。
姉上には僕と彼らが友達だと言ってあるのに、なんでこんな三文芝居を?
いつものおふざけにしては色々と腑に落ちない点が多いが、
とにかく、今は姉上を鎮めるのが先決だ。
「姉上。ブランドたちも悪気は無かったのです。もういいではないですか?」
『おふざけはそのへんにして、ご飯食べましょ?』
気絶するアンネが、男子生徒にズルズルと引きずられながら退場するのと入れ替わりに、姉上とブランドの間に入る僕。
そんな僕に姉上は、
「あ、あらららら? ア、アアアアアアアアアアアルではありませんか? こ、こここここれは、ゼフト王国の者たちと私のののののの問題ですわ。な、なので! あ、あなたには、か、かかかかかか関係あり……あり……ありま……せん……です……わ! べ、べべべべべべ別に、彼らがアルのおおおおおおおおお友達に相応しいかどうかなんて、私は、こここここここれっぽちも気にしていませんわよ!」
目の端に涙が溜ため、僕に向けた言葉をドモリまくる。
まあ、彼らにいちゃもん付けた理由は分かったし、
『まあ、ブランドたちを試すようで悪いんだが、ここで話をこじらすと、もっと面倒臭いことになるだろうな』
姉上のやりたいことを理解した僕は、後で彼らに謝ることにし、
「それでは姉上。どうすれば許していただけるので?」
策に乗った。
そんな僕の態度に気を取り直したのか?
姉上は出来るだけ悪そうに口角を吊り上げ、
「そうですわね! 私、ちょっと退屈してますの。ですからあなたたち、今日の放課後、私と模擬戦をしなさい!」
普通、それって、女性からダンスに誘う言葉では?
ちょっと、いやかなり強引に話を進める姉上に、
「分かりました。それでは放課後に」
話を切り上げ、彼らと共に食堂へと背を向ける。
そんな僕に、
「え? ちょっとアル? なんであなたまで…………」
ご主人においてけぼりを喰らった犬のように、寂しそうに泣く声がするが、
「え? 僕はこれから彼らとランチなのですけど?」
これからブランドたちに事の次第を説明して、作戦を考えておこうと、
僕は出来る限り平常心を保ち、その場から立ち去った。
ちょっと短いけど、キリが良いので切りました!
次回、初の姉弟喧嘩? になるはず?
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