表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/144

外出自粛なので、運動不足。

なので筋トレしました!

翌日とか二日後なんて待たずに、体バキバキです!

なので今日は早めの投稿です!


 なぜこんなことになったのか?

 僕にも分からない。

 まあでも、今回はなにも掛けて無いので、相手の心をボッキボキに折るだけにしようと思う。


 え? 別に僕は、姉上に殺気を向けたからって怒っている訳じゃないよ?

 ただ、これ以上付きまとわれるのが面倒臭いだけだよ?


 そう自分に言い聞かせた僕だが、この後僕を巻き込んで、思いもよらない展開になるのだった……。



 数日後。


 リンゴ~ン! リンゴーン!


 午前の授業が終わる鐘が鳴ると、


「おいアルサス! 昼飯に行こうぜ!」


 僕の机に最速で近寄り、ニコリと犬歯を見せて笑うブランド・ゴールドに、


「さて、今日の日替わりメニューは何ですかね?」


 彼の背後から見えるのは、モス・グリーンの新緑の瞳。


「おう! 早く食べて、昨日の勝負の続きしようぜ!」


 すでに教室の出口で待機しているデイト・パープルは、まるで子供のようにソワソワしていた。


 彼らと勝負したあの日から、


「「「さあ行こうアルサス!」」」


 僕たちは親友と呼べるほど仲良くなっていた。




 いや、僕も驚いているのだ。

 だって、アンネの魅了に引っかかる程度の奴らが、なんでこれほど気持ちのいい奴らなの?


 始まりはやはり、三人との勝負だった。


「それじゃ、模擬戦開始!」


 ポールともやった訓練場で、僕はデイトと対峙していた。

 彼の得意な剣術で心を折ろうと思ったのだ。

 なのに、


「ぐおぉぉぉぉぉぉ!」


 雄たけびを上げ両手で握る大剣を振りかぶり、愚直なまでに真っ直ぐな剣筋に、思わず見惚れてしまった。

 踏込の速さも、剣速も、僕や姉上はおろか元勇者ジオルドにさえ届かない一撃。

 でも、僕が見惚れたのはそこじゃなくて……。


 大剣を持つ、何度もマメが潰れて、それでも剣を振るったごつごつした手の平と、

 数千、数万回と繰り返し、迷いなく進む蹴り足やブレ無い体幹。

 それに、


「代々パープル家の嫡男のみが伝授される、必殺の一撃を受けて見ろ!」


 とても一朝一夕で身に動きではない。

 模擬戦だというのに、己を信じ、己の家を信じ、愚直にだが真っ直ぐに、

 僕に己をぶつけるデイト。


「本当にアレ(アンネ)で身を崩した男なの?」


 そう思えるほど、イロイロとひねくれている僕に、彼の姿は純粋で真っ直ぐに見えた。

 だから、


 ガキンッ!


 僕は真正面から彼の剣戟を受け、


「うおりゃぁぁぁぁ!」


 右腕一本を犠牲にし、彼を訓練場の端まで吹き飛ばした。

 

「ぬごごごごごごっごご!」


 奇妙な声を上げ、地面を転がり回るデイト。


 真直ぐに本気をぶつける相手には、本気を返すのが礼儀。


 それが僕の信条だが…………やりすぎたかな?

 なんて後悔しそうな僕の耳朶に、


「うわははははは! さすが勇者アルサス様! 我が渾身の一撃が、こうも容易く弾かれるとは!」


 地面を転がり、土と埃だらけでのデイトは、その場で半身を起こして笑った。


 普通なら、心が折れるか、僕に逆恨みするのが大半なこの状況で、楽しそうに笑ったのだ!

 さらに彼はそこから立ち上がると、犬歯を向き出しにして再び剣を構え、


「だが、勝負はこれから、最後まで付き合ってもらいますぞ!」


 呆然とした僕に向かって、躊躇なく駆け出してくる真っ直ぐな瞳。


 そんな彼に僕は、回復薬を飲みつつ、


「もっと脇を締めろ! 剣先をブレさせるな! つま先は常に真っ直ぐこちらに向けろ!」


 彼の一撃を、頬を緩ませながら待つのであった。

最後までお読みいただきありがとうございます!

慣れない運動をし、

でも、運動後のビールがうまくて・・・・・・おねむです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ