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外出自粛なので、運動不足。
なので筋トレしました!
翌日とか二日後なんて待たずに、体バキバキです!
なので今日は早めの投稿です!
なぜこんなことになったのか?
僕にも分からない。
まあでも、今回はなにも掛けて無いので、相手の心をボッキボキに折るだけにしようと思う。
え? 別に僕は、姉上に殺気を向けたからって怒っている訳じゃないよ?
ただ、これ以上付きまとわれるのが面倒臭いだけだよ?
そう自分に言い聞かせた僕だが、この後僕を巻き込んで、思いもよらない展開になるのだった……。
数日後。
リンゴ~ン! リンゴーン!
午前の授業が終わる鐘が鳴ると、
「おいアルサス! 昼飯に行こうぜ!」
僕の机に最速で近寄り、ニコリと犬歯を見せて笑うブランド・ゴールドに、
「さて、今日の日替わりメニューは何ですかね?」
彼の背後から見えるのは、モス・グリーンの新緑の瞳。
「おう! 早く食べて、昨日の勝負の続きしようぜ!」
すでに教室の出口で待機しているデイト・パープルは、まるで子供のようにソワソワしていた。
彼らと勝負したあの日から、
「「「さあ行こうアルサス!」」」
僕たちは親友と呼べるほど仲良くなっていた。
いや、僕も驚いているのだ。
だって、アンネの魅了に引っかかる程度の奴らが、なんでこれほど気持ちのいい奴らなの?
始まりはやはり、三人との勝負だった。
「それじゃ、模擬戦開始!」
ポールともやった訓練場で、僕はデイトと対峙していた。
彼の得意な剣術で心を折ろうと思ったのだ。
なのに、
「ぐおぉぉぉぉぉぉ!」
雄たけびを上げ両手で握る大剣を振りかぶり、愚直なまでに真っ直ぐな剣筋に、思わず見惚れてしまった。
踏込の速さも、剣速も、僕や姉上はおろか元勇者ジオルドにさえ届かない一撃。
でも、僕が見惚れたのはそこじゃなくて……。
大剣を持つ、何度もマメが潰れて、それでも剣を振るったごつごつした手の平と、
数千、数万回と繰り返し、迷いなく進む蹴り足やブレ無い体幹。
それに、
「代々パープル家の嫡男のみが伝授される、必殺の一撃を受けて見ろ!」
とても一朝一夕で身に動きではない。
模擬戦だというのに、己を信じ、己の家を信じ、愚直にだが真っ直ぐに、
僕に己をぶつけるデイト。
「本当にアレで身を崩した男なの?」
そう思えるほど、イロイロとひねくれている僕に、彼の姿は純粋で真っ直ぐに見えた。
だから、
ガキンッ!
僕は真正面から彼の剣戟を受け、
「うおりゃぁぁぁぁ!」
右腕一本を犠牲にし、彼を訓練場の端まで吹き飛ばした。
「ぬごごごごごごっごご!」
奇妙な声を上げ、地面を転がり回るデイト。
真直ぐに本気をぶつける相手には、本気を返すのが礼儀。
それが僕の信条だが…………やりすぎたかな?
なんて後悔しそうな僕の耳朶に、
「うわははははは! さすが勇者アルサス様! 我が渾身の一撃が、こうも容易く弾かれるとは!」
地面を転がり、土と埃だらけでのデイトは、その場で半身を起こして笑った。
普通なら、心が折れるか、僕に逆恨みするのが大半なこの状況で、楽しそうに笑ったのだ!
さらに彼はそこから立ち上がると、犬歯を向き出しにして再び剣を構え、
「だが、勝負はこれから、最後まで付き合ってもらいますぞ!」
呆然とした僕に向かって、躊躇なく駆け出してくる真っ直ぐな瞳。
そんな彼に僕は、回復薬を飲みつつ、
「もっと脇を締めろ! 剣先をブレさせるな! つま先は常に真っ直ぐこちらに向けろ!」
彼の一撃を、頬を緩ませながら待つのであった。
最後までお読みいただきありがとうございます!
慣れない運動をし、
でも、運動後のビールがうまくて・・・・・・おねむです!