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遅くなってすみません。


さあ、四天王編最終話です!

まあ、相変わらずクダグダですけど!

「…………アルサス様。世の中、強力で抵抗しきれないほどの長い物には、巻かれないと……ただの聖女なんて即死しちゃうんですよ?」


 勇者と並びこの世界に一人しかいない、貴重な人物(聖女)が、瞳から光を消し淡々と答えた。


 うん。

 確かにナンバーワン(世界で貴重な逸材)より、オンリーワン(自分の命)だよね!


 とにもかくにも、この姉上を止めるには、四天王に不運菌を止めてもらうのが最良と、彼女との距離を縮めるのだが、


「はえ? はえ? これ、私のじゃない。私が作った、不運菌の効果じゃない!」


 自分が放った不運菌による不運より、現状のセツナの不運を目の当たりにしたモーリー。

 そんなしらを切る彼女の肩に、僕は出来るだけ優しく手を置いて、


「今、この惨劇を止められるのは、君しかいないんだ。だからもう、セツナから不運菌を取ってくれ!」


 この場を収めようとする僕の言葉に、


「ふえぇぇぇぇ! もう無いです! あ! ないであーる! 私……我が放った不運菌は三日しか持たないのであーる!」


 ほぼ素に戻ったモーリーの自白。

 え? え? それじゃ、それ以降の不運って……セツナの自前?

 

 いや、違う。

 これってもしかして…………あね…………。


 モーリーのカミングアウトと、


「あらあら? 不運菌のせいで手が滑ってしまいましたわ!」

「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」


 姉上の楽しそうな声を聞いていた…………。




 エピローグっぽいもの


 あれから二日後…………。


「アルサス様! おっはようございま~~~~す!」


 今入ったばかりの教室に、けたたましく響く声。


「ささっ。アルサス様のお席はこちらでございます!」


 彼の合図の元。

 僕の足元から丸まっていたレッドカーペット(多分、王族でも稀にしか使わない高級品)が、僕の席までコロコロと転がっていき、


「はい! お荷物をお持ちします!」


 サッと手をだし、僕のカバンを奪い取る彼。

 二日前まで、王位継承者…………何位だか思い出せないが…………。

 王族様が、僕のカバンを丁寧に机に運んでいく。


 どうやら先日の、最後の四天王(モーリー)との戦いの後、

 物凄くお父様(王様)に、こってり、ばっちり怒られたようだ。


 まあ、せっかく後ろ盾になろうとしてたタリスマン家(僕の家)に対し、嫌がらせをしようとしたのだ。


 ちなみに、王様にチクッタのは僕や姉上ではない。


 セツナが口説いたとされるタリスマン家周辺の貴族たちが、話に乗ったふりをしてこぞって父上(タリスマン家)にチクリに来たそうだ。


 当然のように、烈火のごとく怒り狂い自領の兵を招集する父上と、

 必然のように、静水のごとく怒気をみなぎらせて物騒なギルドに伝令を飛ばした母上。


 シュタイン王国も風前の灯か!


 っと思われた所で、危機察知能力だけは長けた王様が、我が屋敷にシュタイン王国が誇る、高速馬車で来場。


 後世に誇れるほど見事な、スライディング土下座をかまし、

 なんとか事無きを得たのだ。


 セツナって、

 正直、

 まだ生きてるのが不思議なぐらいだと思う。


 セツナからの待遇は、その翌日からだ。


 まあ、姉上はああだから、僕に取り入りたいという気持ちは、

 分からなくもないのだが…………。


「あらあら? あなた……誰の許しを得て、アルのカバンを触っているのかしら?」


「え? こ、これは…………はぎゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!」


 姉上の逆鱗に触れ、幸運のウサギのシッポを握りしめて教室の窓から退出するセツナ。

 

 相変わらず、空気が読めないみたいだ。


 しかも、


「さすがはお姉様! あ! でも制服の袖に少し、ほんの少し汚れが……すぐに取り換えましょう! 大丈夫です! 着替えはすでに用意しています! もちろんサイズもピッタリで、お姉様が愛用している洋服屋の特注品です! もちろんもちろん! お代はさっき飛んでいった王族モドキにつけておきましたから安心してお使いください…………で! お姉様の匂いの付いた、至高の……ごほんっごほんっ! 汚れた制服は、私が! あなた様の一番の下僕の私が! 持ち帰って、匂いを嗅いだり頬をスリスリしたりせず、ちゃんと処分しますので、安心して下さい!」


 その怪しい答えで、どう安心しろと!?

 王族モドキって、セツナのとのラブラブはどうした!?


 色々ツッコみたい僕の思考は、ひねくれているのか?

 

 何はともあれ、


「あらあらアル! こんな場所で出会うなんて! もはや運命を通り超して宿命! ですから、ランチをご一緒しながら今後の新婚生活を…………」


 上着をミナに向かって脱ぎ捨て、僕の元に駆け寄る姉上に、


「姉上、ランチは付き合いますが、その手に持ってる(婚姻届)にはサインしませんからね!」


 ほんの少しだけ口元を緩め、僕の胸に飛び込んで来る姉上の衝撃に備えるのだった…………。


                                      《了》

最後までお読みいただきありがとうございます!

四天王編どうでした?

なんか、思ったことを感想にして良いんですよ?


作者的にこの次が最終話になるので、ブクマ、評価はもちろん。

一言でも感想なんてもらえたら、物凄く執筆速度が上がるはず!

多分・・・・・・・・・・・・。

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