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春風に吹かれて  作者: ゆうと
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終業式の日に茅野秋人は考え続ける

教室に入り、席に座った。やっと今日で楽しくもなかった2年生が終わる、と思っていた時、喋ったこともないやつに急に喋りかけられた。「......なあ、ちょっといいか?」鬱陶しい。なぜ2年が終わるときに喋りかけんだよ。「何?」「お前さ、最近木野と仲良くね?」木野、つまり木野結翔のことだろう「それが何?」「やめとけよ。あいつと関わるの。」とこいつ、石川和(かず)が言う。何いってんの?意味わからん。「はぁ?なぜ?」「嫌われているからだよ。」......僕だって結翔が嫌われていることは知っていた。だから結翔は僕に近づいたんだと思う。僕は結翔を友達だと思ったから、結翔が僕を友達だと思ったから、常に一緒にいるんだ。「言いたいのはそれだけか?話すことがなくなったのなら、もうこの話は終わりにしてくれ。」友達をバカにされることが鬱陶しいわけかひどい言い方をしてしまった。僕は言いたいことをいってすぐに廊下に並び、体育館へと向かった。向かっている途中に、結翔と出会った。おーーい秋人~、というかのように僕に手を振った。嫌われているせいか、結翔の周りにいる人たちは皆、結翔のことを見下すような目で見ている。僕のクラスにも結翔を嫌っているやつは多い。とくに石川は結翔のことそうとう嫌っているだろう。石川を含めてのクラスメイトは恨んでいるような目で僕を見る。それに気づいたのか結翔はすぐに目をそらす。僕は見られていたってなにも思わない。なぜかというと、2年生の1年間常にクラスぼっちだった僕に、嫌そうな目で見ていたからだ。体育館に着き、座り、校長先生の話を聞く。ロングトークの始まりですね!僕は頭の中で思ったことがあった。校長先生も学校に行っていたのだからこの辛さがわかるだろ!腰痛いよ~......。本当に生徒のこと思ってんのかよ。思っているのならなぜ長話ができる、このことについてはなんとなく理解できる。だけど、1つだけ理解できないことがあった。単刀直入だが、なぜ嫌われる人間が出てくるのだろう。こいつは苦手だ、ということは何度もある。校長はそうゆうことに気づいているのだろうか、気づいているのならなぜ止めさせようとしない。それが、僕にはわからなかった。結翔がどんなに嫌われていても、僕は結翔から離れない。友達だから。

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