家にて
譲君を連れて家に帰った。
「ただいま〜〜。」
「おかえり。」大輔は、言った。
「誰??」
びっくりした様子で大輔は言った。
「そこの施設の前で知り合った譲君だよ。」
「初めまして。譲と言います。」
緊張した様子で譲は言った。
大輔は、また驚いた様子だった。
「名前が譲君って言うから
なんか奇遇だなぁ〜〜って思ったでしょう?」
そう言って家の中に入った。
「もしも生きてたらこのぐらいに
成長してるかもしれないね。」
少し寂しさが込み上げるような
気分にもなって言った。
「おばさんにも子供が居たの?」
譲君はそう言って聞いた。
「そうなんだよ〜〜。死んでしまったんだ。死んでしまったというか
殺してしまったというか。」
「殺した!!?」譲はびっくりして言った。
「人工的に産まれる前に手術で
取ってしまったんだよ。産んで育てる事を諦めたんだよ。産んで育てる自信がなかったんだ。」
「可愛そうだね。」
譲はそういって顔をしかめた。
「うん。可愛そうだね。親になるには
それなりに責任もあるし、育てていくのは大変な事だと思うよ。
譲君の親も色々あって施設に預けたのかもしれない。その方が結果良い事の方が多い気がするよ。悪い環境で育つよりは
施設で育つ方がマシという場合もあるよ。」
「僕は、分からない。家族が一人もいないんだ。もしも悪い人でも家族と一緒に暮らしたいよ。だからって今の施設での
暮らしが嫌だってわけでもないよ。」
「それは、良かったね。」
「譲君は頭が良いね。うちは、あんまり良くなかったと今では思う。
今じゃなくてもね。家族がいても
寂しさはあるよ。一緒にいて欲しい時にはいなかったりするからね。一緒にいて欲しい時に
家族が居たらと思うよ。譲君は元より居ない環境で家族を独占する事がないから
寂しさについてより他の人達よりは
感じているかもしれないし、
感じてないかもしれない
羨ましいとは感じているかもしれないし
平気かもしれない。
分からないってのが一番当てはまっているかもしれないね。
親が寂しくさせないように
努力している人とそうではない人の間には
その子の感じ方も違うかもしれない。
努力してない人もいるんだよ。
だから、どんな親を持つかで
その子の幸せも違う気がするよ。
だから元より居ない方がマシの親もいるかもしれない。
親がしっかりしてなかったら
誰かがしっかりしなきゃならない
環境にもなる。
素質がなかったら
ストレスも大きいだろうし
子供は子供で大変な思いをするだろうね。
譲君はしっかり者だし、頭も良いから
きっと親の役に立つような
存在になれると思うな。」
「嬉しいよ。そうなれたらと思うよ。
施設でも寂しくて泣いてる人がいてね。
側にいてあげたらしてるんだ。」
譲君は、しっかりしなきゃならないと
人を助けるような行動を
自然と取っているようだった。
「偉いね〜〜。」
私はそう言って頭を撫でた。
大輔も微笑んでいた。




