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作者: 海之本

少し先のとがった

桜色の爪


その指が触れる

どんなものにも嫉妬する


そのカードなんて

どんなに

幸せだろう

握られ

汗を纏い

この世で一番

あなたに近い存在になる


私はあなたの爪になりたい


ずっと一緒

どこへ行っても

何をしていても

あなたのすること

行く場所

どこにでも


一番近く

あなたの手にするものを知る


愛しげに触れる車にも

夢中で口にする団子にも


呆けた寝顔も

寝癖のついた髪にも


汗を拭い

時々噛まれながら


笑い転げる腹の上から

あなたを見上げ


共に歳をとり

あなたが死ぬ時

私も死んで

一緒に土へ還る


あなたの爪になれたら

どんなに幸せだろう

その指先に嫉妬せずにいられる


私が爪なら

あなたをひっかいて

そんな傷つくったりはしないのに

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