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転落人生

そのまま、数ヶ月が過ぎていた。私は小学一年生になった。

ある日の事だった。それは突然やってきた。



『美優、美奈ー』

私達は朝から玄関で母に呼ばれた。

『なぁに?お母さん?』

『なに?どうしたの?』

私と姉は玄関に向かった。

『ほら!たまにはお父さんが行く時に皆で行ってらっしゃいしよう♪』

そう言うと母は私達の手を取った。

『いいよ。別に…』

父が少し照れくさそうに言ったのを今でも覚えている。

『ううん!今日は何だか皆で行ってらっしゃいをしてあげたい気分なの!ほら、皆行ってらっしゃいは??』

そう母が言いながら私達を見た。

『あなた行ってらっしゃい♪ほら、美弥も行ってらっしゃいって♪』

『お父さん!行ってらっしゃい!』

『お父さん!行ってらっしゃい!早く帰ってきてね!』

姉と私は口々に言った。

『行ってきます…』

そう言うと、父は少し照れくさそうに出て行った。


何故この日皆でお見送りをしようなんて母は考えたのか私には分からなかった。

…だが、きっと虫の知らせだったのだろう。


その日が私達が父を見た最後になった。

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