クリスマスプレゼント
それから私は幼稚園を度々休む様になっていた。
あれだけ大好きだった幼稚園よりも幼かった私は父に会いたいと願ったのだろう。
それから数日が過ぎ世間はクリスマス・イブになっていた。
明日はサンタさんの来る日。
早く寝ないとクリスマスプレゼントが来ない!
そう思いその日は早く寝た。
私はクリスマスの朝が大好きだった。
クリスマスプレゼントは毎年必ず好きな物を貰えた。
クリスマスプレゼントは好きな物を買ってもらえるので、私はサンタさんにどんどん高い物をねだるようになっていた。
数日前
『あれがいい!!』
私がワガママを言ったのは子供用のミシンだった。
『あれは流石にサンタさんも無理だよー』
母は私にそう言った。
『でも、いつもは、なんでも、すきなものもらえるよ??』
『…………。』
母は無言になった。
当時子供用ミシンはとても高価な物で何万円もするものだった。
『でも!今年は流石にダメ!!他のにしなさい!』
『えーー!ママにかってっていってないのに!』
『………!そうだけど…サンタさんも困るからダメ!』
『むぅ!!』
私はとても拗ねた。
毎年自分の好きな物が手に入っていたクリスマスプレゼント…私は母と父がサンタさんだと知っていて困らせた。
姉が以前バカにしながら教えてくれたのだ。
『お前まだサンタさんなんて信じてんの?バカじゃないの?あれはお父さんとお母さんが買ってくれてるんだし!そんなんも知らないの?』
そう言って私をフッと笑いながら見た。
その事実を知った時私はとてもショックだった。
『じゃあプレゼントなんていらないもん!!!』
そう言うと私は拗ねたまま部屋で引きこもった。
それから数日が過ぎクリスマスの朝がやってきた。
数日前に駄々をこねて『プレゼントなんていらないもん!!!』なんて言ったこともすっかり忘れていた。
プレゼントを開けた時流石にビックリした。
そこには、私が数日前に駄々をこねた子供用ミシンがあったのだ。
私は喜んだ。
『ママ!!ありがとう!!!』
思わず母にお礼を言ってしまっていた。
『え??ママ何もしてないよ?くれたのはサンタさんだよ?』
私は思わずハッとした。
『サ…サンタさんにおれいいっといて!』
そう言うと私はミシンで遊ぶ事にした。
そんな数万円もするミシンなのに…私は大事にすることが出来なかった。
姉がボビン入れを壊してしまいミシンは使えなくなり、そのミシンはゴミ箱行きになってしまった。