4話
4話です。
「じいちゃん、面接はもう終わったの?」
初めてバイトをしてくれる人が来てくれたので、何をしたらいいのかわからなく、とりあえず面接でもやるんかなと思ったので聞いてみた。
「いや、全然なんにもやっておらんぞ。ていうか、何をすればいいのかわからん。」
おい!店長。
「まあ、とりあえず面接でもしましょうか?」
と笹木さんに聞くと、
「ひゃ、ひゃい!」とお茶を吹き出しながらあわてて答えていた。
「えーと、まずは、えーと、趣味とかはなんですか?」
全く何を聞けばいいのかわからず、思いついたものを言ってみた。
「あ、えっ、えっと最近は裁縫とかはまってます。」
「おー。いいのー。女子力あって。」という外野のヤジを無視して、
「じゃあ手先とか器用なの?」
「まぁ、ちょ、ちょっとは器用だと思います。」
「へー、手先が器用っていうのはいい利点だね。」
残念ながら俺とじいちゃんはめちゃくちゃ不器用で、俺なんかは芸術で作った作品の評価はいつも最低のC評価だった。なので、器用な笹木さんは即戦力になると思ったのだった。
「じぁあ、次は好きな男の子とかいないのか?」という外野のヤジをまた無視して、
「じぁあ、なんでここで働いてみようとか思ったの?」
「あっ、あっ、それはえっとお父さんがここで働いてこいって言ってきたのもありますけど、それ以上にこのお店に素敵な古い本がたくさんおいてあったから、です。」
ふいに俺の頬を涙が流れていった。
そう、俺は感激してしまったのだ。
「そう、か。よし!君は採用だ。絶対、採用だ。」
笹木さんは少し引きながら驚いた様子で、「えっ」を連発している。
なので俺は泣きながら「俺は古い本を好きと言ってくれる同世代の人を初めて見たんだ。そんな子を手放せるわけないじゃないか。」と力説してやった。
「あ、あ、ありがとうございます。」とペコペコしながら言ってきた。
「じぁあ、笹木さんにこの書店について教えようか。」
まずは新人バイトさんに本町書店について教えてついてやることにした。
「この書店『本町書店』は、江戸時代からずっと続いてきているって言われている書店で、さすがにそこまで昔の本までは残っていないけど、100年前ぐらいの本はいくつか置いていて、まぁ全部辞典ばっかりだけど、多分日本で一番昔のことを知ることができる書店だとは思っているけどね。
ちなみにこの書店は近所の人たちには『追憶書店』とよばれているんだ。なんでも、この町に昔、100歳ぐらいの人がいたらしくて、その人がこの誰も過去に思い出さなくなった世界で久しぶりに、自分の昔の世界を思い出すことが出来たらしくて、その時その人がじいちゃんに「ここは『追憶書店』じゃな」と感動して泣きながら言ったことからここは追憶書店ってよばれるようになったんだって。」
「へ、へー。すごいですね。」と笹木さんも驚いているようだ。
「あとここで働くならお年寄りの人しかこないけど、この人たちは僕らが売っている本を読んで自分の過去を思い出して喜んだり、感動したりしているんだ。これって、とってもいいことだと思わない?」
と、自信満々に言ってやった。
「は、はい!そんな人に感動を与えれる『追憶書店』に住むことが出来るなんてとてもうれしいです!」
彼女もこの熱意が伝わったようだ。
「だろー、頑張れよ。って、住むってどういうこと?」
「そうじゃ、言ってなかったの。笹木さんは今日からアルバイトをしながら、ここに住むんじゃよ。」
急にじいちゃんが会話に入ってきて言うんだった。