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笑顔


太陽が西に傾き、今は使われることのない第3音楽室も柔らかなオレンジの陽に照らされて不思議な雰囲気を醸し出している。

「やっほー、アッキー!!やっぱり来たわね」

音楽室の入口で頭を抱える少年――――――三浦秋人に、グランドピアノの上に腰掛ける少女――――――――草薙恭子はたのしそうに手を振った。


「・・・・なんでいるんですか」

少年は力なく壁に寄りかかり、黒髪の美しい少女を見る。

「なんでって言われてもねー。ほらー私、音楽室の幽霊だしー?」

彼女は頬に両手の人差し指をあてがって、ニッコリと微笑む。

差し込む夕日に、彼女の影は無かった。

「・・・・ですよねー・・・」

秋人は自分が昨日見た少女は幻覚だったんじゃないかと思いここへ足を運んだのだが、その淡い期待はあっさりと打ち砕かれた。


溜め息をつく秋人の姿に、恭子は少しばかり驚いた顔をする

「あら、意外ね」


「・・・何がですか」


「てっきり悲鳴を上げて此処から走り去っていくんだとばかり思っていたわ」


「・・・それをやるなら昨日のうちにやってますよ」


「すっかりタイミングを逃したって訳ね」


「ええ、それに、こんな女子に悲鳴を上げて逃げるほど男は捨てていないですよ」


「あら、分からないわよ?」

刹那、少女は音も無く秋人の目鼻の先に立った。

「・・・もしかしたら、私がキミを取って喰うかもしれないじゃない」

彼女が挑発的に微笑む。

秋人は一瞬驚いたが、すぐに呆れた表情をみせた。

「・・・・・触れることもできないのにどうやって喰うんですか」

「・・・・・・・あら、その事は考えてなかったわ。失敗失敗」

恭子はそれまでの空気を壊すように冗談交じりに笑うと、


「キミ、合格」


と彼を指さして花の咲くような笑顔を魅せた。


それは昨日遭ってから今日この時まで、秋人が見た中で一番美しい笑顔だった。

ノロノロな亀展開ですねー・・・(´Д`;)

あ、補足ですが、音楽室は一応第3音楽室とします;;;;

「音楽室が3つもあるわけないだろ!!」的なツッコミはナシでお願いします←

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