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檻城(おりじろ)の姫君 ━━檻の城で、自由を夢見た姫君━━  作者: うさぎさん⭐︎
第五章 ドラゴン

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第一話 「ドラゴン、現る」

 

 マイティ側から見て左。翔たちから見て右。ユウゾウを遠巻きにした艦隊の向こう側に、突然、三十集を越す船体が現れた。いずれの船にも共通するマーク。━━髑髏どくろ

「翔‼︎ 助けに来たよっ‼︎」

 ユウゾウに通言が入る。スクリーンに、真っ白な猫。瞳はビー玉みたいな水色。翔が持っている物より汚れていない、新しい海賊帽。

 翔は叫んだ。

「━━エイムっ‼︎」


 声がした。不意に、翔の頭の中で。フライの頭の中で。

『今、行くよ』

 不思議な━━知らない声。━━そして。


 ドラゴンが舞い降りた。

 宇宙最大の神秘の生物。


 コスモドラゴン。フレアドラゴン。メテオドラゴン。

 三竜が、色も鮮やかに、ユウゾウの正面、右後方、左後方に、音もなく現れた。

 正面、メテオドラゴン。黒柴のボディ。大きなコウモリような翼。三竜の中で一番体重があり、同時に、最大の破壊力・防御力を持つ。三竜の王のような存在。凶暴な性質らしい。

 右後方、コスモドラゴン。流れる星のような蒼い体。体長・スピードは三竜中最高。比較的、穏やかな性質らしい。

 左後方、フレアドラゴン。赤いドラゴン。攻守・スピード、バランスのとれたドラゴン。ハイト・ウェイトも中間的。性質は気まぐれといわれる。

 メテオドラゴンは、ユウゾウの前方、ワイズよりも前に出現していた。

 メテオドラゴンは、腕や尻尾で、直に相手を攻撃するタイプだ。

 コスモドラゴンは、泳ぐように優雅に宇宙を駆け抜け、それが通った後に息をする者はいないといわれている。

 フレアドラゴンはブレス攻撃。光線のように長く吐き出されるブレスが、舐め尽くす炎のようにしてすべての者の命を奪うという。

 ━━翔は見た。ユウゾウ側から見て左手に現れた、三角形の中型船。

「……カナル……_⁈」

 

 ネズミは猫が大嫌いだ。マイティが大嫌いだ。ちょっと前までは、猫ってばかだけどいい奴? とか思ってた。平和ぼけしてた。猫は嫌い。猫は最低。マイティはとにかく嫌い。コイツのせいで、うちの星は猫の星の占領下だ。よくわかんない税をたくさん取り上げられる。大好きなチーズが食べられなくなっちゃう。

 街に猫がたくさんやってきた。猫ロボットとかいうのも来た。大嫌いな猫たち。ネズミは隅っこに追いやられる。それなのに、宇宙人にさらわれたばかな姫さんのせいで、わざわざこんな所まで連れてこられた。

 フライ姫。知ってる。昔は親と一緒に何度かマウラに来てた。友好関係がどーのと……。よく笑う猫だった。かなり好印象だった。

 でも、もう猫は嫌い。嫌いな猫の《《姫》》なんか嫌い。ネズミ取りも嫌い。猫型兵器も嫌い。みんな大っ嫌い。

 いきなり仲間割れを始めたときにはちょっと楽しかった。だけど、髑髏の船がワープしてきた。ドラゴンがワープしてきた! なんで猫のゴタゴタに巻き込まれなきゃならないの? もうやだ! 死ぬのは嫌だ!

 

 マイティの動きは迅速だった。

 もうキールなんかどうでもいい。ネズミが勝手に撤退して行くけど構わない。ライズは、レイズやアイズ、ビイズなど、サメ型艦を率いて後退。他の船もできるだけ散開・避難させる。

 猫たちが右往左往している。

 狭いブリッジが騒がしい。自動操縦オートメーションなのに、なんでこんなにたくさん猫が搭乗しているのかというと、みんなフライが心配だったから。自分から乗ってきたのだ。このライズにまで乗って来ちゃった。ばか目立ちがりの王とかも、猫の星からネズミのへワープするときとかも、ついさっきも━━なんでかこの船に乗ってたし。もしかしたら、ばかなあの二匹も、フライのこと、心配だったのかな……? 娘として。だとしたら、いいな。

 猫は、ばかで愛おしい。どうせなら、必要以外はすべて機械に任せればよかったのだ。そうすれば死なずに済むのに……。

 ネズミは最初から必要以上に搭乗していない。一応手動操作用に何名か乗っていただけだ。白兵用にしても、ロボットをもっと使えば、猫はあまり死なない。マイティはロボットや船のことも心配した。たとえそれが、人工知能でも……。一匹でも一体でも多く逃げ延び、たとえ船が撃破されても、多くの者が脱出艇等で逃げられるよう……。宇宙は残酷だ。宇宙服がなければ、酸素がなければ、猫は生きていけない。あるのは、惑星や小惑星、恒星、衛生、人工衛星━━そういったものだけなのだから。

 心の中で祈る。祈りながらも、マイティは声を張り上げる。

「報道船、下がれ‼︎  両陛下をお守りしろ‼︎」

 あんな王と王妃でも━━王と王妃なのだ。護衛をつけさせ、避難させる。

 マイティは本当は優しい猫だ。

 ━━髑髏の船は問題じゃない。今、問題にすべきは、あのドラゴンたちだ……。


「あなた方も、早く避難して下さい!」

 カナルはキールへ通信を入れた。彼はその言葉に従った。もう誰も彼なんか見ていない。

 

 ユウゾウのブリッジ。スクリーン上のエイムは目をむく。

「ひえ~何々? 三竜⁈  あれって翔の仲間なの? あたいら来る意味なかった? 必死に考えても名案浮かばなかったから、ツテ頼って、いろんな宇宙海賊たち集めたのに~‼︎」

 スクリーンプラスワン。三毛猫カナル登場。

「翔、フライ様を連れて早く逃げろ‼︎ 髑髏の船の奴らも仲間か⁈ 逃がしたほうがいい‼︎」

「な、なに言ってんだ⁈ カナル‼︎  こんなすげ~ドラゴン……一体どうしたんだ⁈」

「詳しく話している暇はないけど、ぼく━━、ドラゴンマスターになったんです‼︎」

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