表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
檻城(おりじろ)の姫君 ━━檻の城で、自由を夢見た姫君━━  作者: うさぎさん⭐︎
第三章 宇宙海賊

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/30

第五話 「大宴会」



 エイムはフライを解放した。エイムは、翔の言うことはなんでも聞くようになった。フライの猫ピアス銃も返してくれたし、金庫にも、小判とかを全部戻した。嘘みたいだけど、本当だった。

 で、かしらが言うことを聞けば子分もそいつの言うことを聞く。翔はボスキャラの上を行く大ボス、いわゆ<あのお方>扱いである。

 ラスボス倒したと思つたら、もう一匹ボスが控えてました━━みたいなもんである。そういう扱いである。ようするに、一番強い。一番偉い。怒濤のごとく持ち上げられて、大宴会が開かれてしまった。

「認めないっ! 私こんなの絶対認めないっ‼︎」 

 そういう状況で、反対する奴は絶対出てくる。成り上がり者が認められるには相当苦労しないといけない。苦労しても認めてくれない奴もいる。その筆頭が、誰あろうプリンセス・フライその猫であった。

「え、えっとー……」 

 翔は頬を掻いた。さっきからずっとエイムが引っついている。今も抱きつかれている。

「よっ! ご両人! 憎いねっ‼︎」

「姐さんにも、春が来ましたねっ!」

「アニキ! 翔アニキと呼ばせて下さいっ‼︎」 

 カナエがスゴイ音を立てて、持ってきた追加料理をテーブルの上に置いていった。……怒っている。カナエは絶対怒っている。

 どうやらカナエはフライ陣営らしい。翔がフライ以外の女と仲良くするのがおもしろくないのだ。

 ━━広くもないユウゾウの食堂は、猫で一杯だ。廊下とか、至る所からもバカ騒ぎしている声が聞こえる。お花見のようだ。

「ダ~リン。だいすき~」

 酒臭い息を拭きかけながら、エイムは婀娜あだっぽく翔に多りかかってくる。

 ここで、翔が鼻の下伸ばしてるなんて思ったら、大間違いだ。だって、エイムは猫なのである。実際の翔は、エイムの真っ白な毛が顔や腕をくすぐる度、笑いをこらえるので必死だった。

「でさー、兄ぃがもーぉすごいのなんのって! もう、あんときの兄貴ったら、本当にすごかったね! ありゃもうれもせず惑星ぶっ壊しちゃいそうなくらい‼︎ あの兄ぃの姿見たら、コスモドラゴンだってフレアドラゴンだって逃げてっちまうね!  いやもう、惑星一つなんてちゃちなもんじゃねぇ! 七つの宇宙だ!  いやいや違う‼︎ そんなもんじゃねぇやっ‼︎  七つの宇宙の向こうの向こう、そのまた向こうのまた向こう、どでかい宇宙すべて‼︎  この世のありとあらゆるもの全部ブッ壊れちまうくらいありゃー怖かったね‼︎」

 猫たちから感嘆の声が上がる。サイトは酒の勢いかどんどん話をでっかくしていく。翔へ向けられまくる素直な猫たちからの尊敬の眼差し。フロントも同じようなことを言っている。リアが一匹地団駄を踏んで、決定的瞬間に居合わせられなかったと喚いている。

「俺は、クラッシャーかよ……」

 猫は気のいい奴が多いらしい。大抵は素直に翔を認めてしまった。反対するのなんてほんの一握り。少数派だ。 

 酒飲んで歌い踊るだけで満足して、その喜びをそのまんま、翔は素晴らしいという思いに変換してしまう猫もいる。

 白状しよう。これはエイムの作戦なのだ。宇宙海賊たちの翔支持率が急上昇し、半比例して、ユウゾウのロボットたち(ユウゾウも含めて)の翔支持率が急下降していく。

 今までユウゾウのロボットたちにアンケートを取ったとしたら、人気男性キャラナンバーワンは、断然トップで翔だった。女性キャラは言うまでもなくフライ。ベストカップルは誰一人疑うことなく翔&フライだった。

 ━━怒るはずである。彼らの怒りは、当然といえば当然だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ