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檻城(おりじろ)の姫君 ━━檻の城で、自由を夢見た姫君━━  作者: うさぎさん⭐︎
第三章 宇宙海賊

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第二話 「襲来」




 今度の敵は強かった。何が強いかって━━今度の敵は、宇宙海賊なのである。強いのである。

 カナルなんかと違って、数で攻めてきた。いや、宇宙船の数こそ多くはない。髑髏どくろマークのついたなぜかイカみたいなフォルムの大型船だが、たった一隻だ。

 多いのはクルーである。敵はカナルが使っていたのと同じ黄色い光の龍のような光線で攻めてきた。緑色のビーム攻撃もしてきた。この緑のが思いの他強かった。

 一応、反撃はした。宇宙用戦闘ロボットも戦闘機で出撃させてはみた。 

 砲撃もこれでもかってくらいした。こっちのは赤い龍のような光線。

 赤龍砲という奴らしい。

 シールドも張りつ放し。

 なのに気づくと船内には侵入者が溢れていた。

 船内用戦闘ロボットも、やってきた宇宙海賊さんたちに次々倒された。トラップも手慣れたもので、次々外されていく。さすがは、宇宙版の海賊さんだ(それか、宇宙賊とか宙賊?)。

 彼らは船内を荒らし回り、金目の物を強奪する。

 しかしこの船……一見すると、いかにもな金目の物は見当たらない。宝石とか、高そうなインテリアとか━━。

 いや、小判はちゃんとフライが持っている。金庫もある。金庫はもちろん襲われた。

 でも、言っちゃえばこの船はフライがおこづかい使って造った船である。フライはあれでもまだ一応現役のプリンセス。お金持ちである。この船自体がとてつもなーく高いのである。金かかっているのである。

 ただし、フライは姫とばれることを恐れコストは下げている。言っちゃえば、そこ行く普通げな女の子が、一億円とか一兆円とか持ってるようなもんである。これはかなり……怪しい。

 で、フライはどこぞの金持ちのバカ娘が持っている程度のお金しか払っていない。でもそれでもとてつもなーく高いのである。……お姫様なんて、大っ嫌いだー! 世の中不公平だー! とかそこ行く少年(たとえば、翔)とかに思われてもしかたない。

 で、金庫であるが、いつか翔がイメージしたように、小判とかはちとかさばる。日本のコインより大きいし、もちろんお札より厚みもあるし、なにより金貨なのである。

 他にも銅銭とかもあるらしいけど。

 だから、金庫の中にはいつ積み込んだのか、大判小判が所狭しと並べられていた。

 しかし、フライからすればそんなに大金でもなかった。

 あんまり大金積み込みとマジでプリンセスとバレるから。それ一枚あればなんでもできるゴールドプリンセスキャットカードなんてのもあるのだが、それを彼女は捨ててきた。もうお姫様とはサヨナラするから。

 だいたいそんなの広い宇宙に出ちゃえば使えない星が多い。大判小判なんかも同様。金や宝石が絶対的な価値を持っているわけではない。

 でも、この辺の宙域で暮らす猫とかには普遍的な価値がある。あるのだ。 

 だから宇宙海賊たちは大喜びした。

 フライははっきり言ってそんなものよりお魚とかのが生きていく役に立つと思うし、好きである。換金できる石とか小判とかは単なる道具。便利かもしれないけどいざとなったら役には立たない。早いトコできるだけ実際に役立つ物と交換しちやいたいくらい。

 だけど、宇宙海賊たちはそうは思わない。金こそが絶対。だって、それがないと生きていけない。それがあれば権力だって手に入る。何だってできる。

 フライはえを知らない。本当の意味では知らない。経験したことがない。金で何かを捩じ伏せられたことがない。ただ城から逃げたくて泣いている猫。 

 だから、宇宙海賊たちの気持ちはわからない。宇宙海賊たちにもフライの気持ちはわからない。せいぜい、贅沢者の大バカ嬢と鼻で笑うだけだろう。金に頼って生きてきたくせに金の価値もわからない大パカ娘。仮に同情したとしても、真に理解はできまい。

 ……《《おそらくは》》。宇宙に物理法則以外の絶対はないとかいうから。真実なんて誰にもわからないのかもしれない。

 しかし、それは今大したことではない。要するに金庫破りまでされた。ユウゾウ内を宇宙海賊たちは我が物顔で闊歩する。

 ユウゾウは占拠された。フライが王城脱出して宇宙へ出て、地球時間にすると、およそ二週間後。異常事態・緊急事態である。



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