数多ある選択肢
短編です
俺の名前は選択肢Z。ん?なんでZかって?そりゃぁお前、この世の中には選択肢ってのは無数にあるんだから、Zだっているさ。
え?A~Zじゃぁ文字数分しかないじゃないかって?焦るなよ、俺の他にはまだ0から始まる数字の数だけ選択肢は存在する。数字ってのは無限にあるんだろ?俺はその中の一つに過ぎないんだよ。まぁ、基本的に選ばれるのはAかB。①か②。あとは、時々DとかFとかまでは選ばれたことのあるやつがいる。
でも俺はZ。そう、選択肢Zなんて、見たことないだろう?俺も使われたことは無い。だけど、“可能性”って言葉の中に、確かに存在しているんだ。Z番目の選択肢である俺が。
普通の選択肢を使うのに飽きた時は、俺を使ってくれていいんだぜ?遠慮なく声をかけてくれ。俺はいつでも暇してるからな!!
それにしても、ABの奴らは忙しそうだなぁ。いろんな選択をするときに結構な頻度で使われてる。まぁそんな奴らを見てると思うよ。忙しいのも考えもんだなって。
ま、何もできない俺が言うのも変な話だけどさ!
でも確実に俺の選択肢は存在するんだ。かなり希少で、珍しい選択肢ばかりだから、選ばれないことしかないけどな。
え?例えが見たい?仕方ねぇな。
面白かったのはこれだ。「宇宙に宇宙服なしで飛んでいく。」
どんな選択だよってな!www宇宙ってのは空気が無くて、かなり寒いって聞いたぜ?そんな場所に宇宙服なしで行くなんて、どう考えても無理だろう。でも無数の可能性の中には確かに存在する選択肢なんだよな。俺の隣にいる奴なんて、数字の七百七十六番で、一個前の七百七十五番とほとんど同じような選択肢だったって嘆いてたぜ。
ま、それに比べりゃぁ、俺の選択肢はほぼ可能性はないけど、まぁ、面白いネタにはなりそうな内容だよな!
あとは、そうだな・・・「車を爆発させるイリュージョンで無事生還したらプロポーズ」ってのがあったな。危険すぎるし、「そのプロポーズを断る」って選択肢がABのところに依頼殺到してたぜwww。俺の選択肢が選ばれにくい理由が解っただろ?かなり可能性が低いものしか俺の選択肢に入らないんだよ。
でも、可能性という観点で話をすれば、あり得ない話じゃない。そう言う微妙な可能性は、そこかしこに確かに存在する。だから俺も、存在感は薄いが、いないわけじゃない。俺はいつでも、どこにでも存在する。君が俺を選ぶ可能性ってのも、実はどこかに存在するんだぜ?何かを選ぶことに迷ったら、俺みたいな可能性の低い選択肢があるってことを忘れないでほしい。俺は確実にそこにいるし、何かの拍子で選ばれることもある。そういう選択肢だってあるからな。
まぁ、俺を選ぶ未来が来ないほうが、君にとって幸せかどうかは、俺にはわからない。答えは選択肢を選んだ先にしか存在しないから。君が選んだ未来の先で、また新しい選択肢が現れる。その時また会えたら、握手くらいはしてくれたら嬉しいな。
——数多ある選択肢——
選択肢のお話でした




