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閑話1. お決まりの質問、アッシュ兄さんはどっちがお好き?

再掲 第8話、魔王城内、アッシュの部屋での一幕。

 俺がソファで休んでいるときのことだ。


 ダリアとイーサがしきりに言い合いをしている。アイリッシュは二人の言い合いを収めようと必死だが、何やら火に油を注いでいるような……。


「アッシュ兄さんは絶対大きい方が好きよ!」

「分かってないなあ。イーサちゃん。でも人って自分が持ってるものしか誇れないから仕方ないと言えば仕方がない! そうだ、それなら直接お兄ちゃんに聞いてみたらどう?」

「そ、そんなことできないわ」

「イーサちゃんがそのスタイルに自信があるのは()()()わかったよ、でも、それを見せつけて、大きいほうが好きですか? はちょっと恥ずかしいものね」


(全部俺にも聞こえているのだが)


「お二人とも、喧嘩はやめてください!」

 アイリッシュが一番の歳下とは思えないほど、大人らしく仲裁の声を発する。


「ちょっと! アイリッシュは自分のが()()()()()()サイズだとか思ってるんじゃない?」

「イーサお姉様、そ、そんなことありません! 私のは、そ、その、ち、小さいですから!」

「ちょっとアイリッシュちゃん! あたしの前でそれを言っちゃうんだ!」


(まあまあ、みんなが大きくなった、それでいいじゃないか)


「アッシュ兄さん! 兄さんは大きいのと小さいのどっちがお好きですか!」

 イーサが顔を真っ赤にしながら叫ぶように言った。


(そんなに照れながら聞くことだろうか?)


「うーん、成長を競い合うのは大切なことだ。だけど、みんなが成長してる。それでいいんじゃないか? 大切な指針はそれぞれの中にあるだろう? それに、みんな、ほら俺なんて殆ど変ってないじゃないか。いや、このくらいの年頃に寝てばっかり、というか死んでいたから伸びなかったのかなあ」


 俺は自分の足の先から頭部までを視線の届くかぎりで何となく眺めた。モーリス・スウェンではなかなか立派なスタイルだった。あれは貴族のいい血が流れていたか、周りと比べ食が良かったのか。これからしっかり食べないとな……。


「はあ……」


 俺がため息をつくと、妹たちはさらに大きなため息をついて俺を見ていた。

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