【番外編】喫茶ティキ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
一応、幻想奇譚です。
最初の一口から爆速で変化していく。
それが本当に悲しい。
私は悩んでいた。珈琲が飲みたい。けれども行き付けの純喫茶は連休を利用して訪れたばかり。また訪れるのは少々気が重い。
はてさてどうするか。暫く考えた後に本日の曜日を確認する。……じゃあ新規開拓でも。
正午を少し過ぎた後に異界への扉を開く。すると暖色の柔らかい光が目に入った。印象はこじんまり。木製のテーブルや椅子が肩を並べている。壁に飾られたティキやトーテムポールが柱代わりとなり、日本でありながら異国の情緒を表している。
「いらっしゃいませ。提供にお時間がかかる事が御座いますが、宜しいでしょうか?」
人形の様に整った顔の女性が挨拶をした後、真後ろで会話のキャッチボールが弾む。くるくる、くるくる、くるくると、飛び交った後に、奥の席に案内される事になった。
こうして座ってみると味のある古着屋の様だ。店内を流れる滑らかなレゲェや有名アーティストこTシャツを見ていると、本当にそう思う。
私は通りかかった店員を一人捕まえて、注文を行う。
「ブレンド一つ」
珈琲一つと言っても、味は千差万別。甘い、苦い、酸っぱい、店によってその配分が大きく異なる。此処のはどんな味だろう。
そんな事を考えながら、周りに座る御客の会話に耳を傾ける。『あれが良い』『これが素敵』そんな賑やかなところも含めて、喫茶店というより、先鋭的な古着屋の様だ。
珈琲は割と直ぐに届けられた。漆黒の液体。鼻を近付けると、苦さの中にほんのりと甘い匂いがする。
取り敢えず一口。深煎りのまったりとした味わいが舌に絡み付く。濃厚で、何処かチョコレートの様な甘さも感じる。そして遠くの方に僅かな酸味。モカはチョコレートの様な味が特徴の珈琲らしいが、それがベースになっているのかも知れない。
珈琲は一口目が一番美味しい。後は酸化が進んで酸っぱくなってしまうから。最後の最後まで苦味を求める私には、その特性だけが受け入れられない。
また一口。まずは酸味が先に来た。舌全体を刺激する様に喉を下った後に、鼻からほんのり豆の香りがする。
あぁ……最初のまま、ずっと苦く、甘いままでいてくれたらなぁ。けれどもその脆さも珈琲の良さかも知れない。
店員さんに顔を覚えられるのが苦手なんです。
下手な真似する気はないですが、下手な真似したくないので。
だから念願叶って新規開拓のお時間。
他の喫茶店がイタリアやフランスのオペラ座なのに対し、ハワイで有名なオシャンな古着屋という感じの喫茶店。
全然関係ないんですけど○ンディー・○ョーンズみたいな。
ティキというのは、トーテムポールに張り付いてる様な、ハワイのお面。
それこそが特徴だと言うように、光景を表しています。
チョコの様な珈琲が好きです。