夢を追うことは生半可なものではない(2)
ザ・ノンフィクション
『ボクと古着と下北沢 〜夢と現実のヴィンテージ〜 前編』
番組の中では、下北沢で古着店を経営する三人の若者が出てきた。
一人は埼玉県出身のヨウさん(23)。
大学を中退し、肉体労働で稼いだ資金と、銀行から借りた資金で下北沢で古着屋を開店。
腕に、自分が好きなTシャツのデザインを入れ墨として入れている。ここまで入れ墨を入れてしまったら、もう普通には働けない。古着屋に賭けるしかなくなる。それも彼なりの退路の断ち方なのだという。大学を中退したことでも、自分の逃げ道を断っている。
その上でリスクを負って店舗を増やしていき、従業員の数も増やしていた。
もう一人は宮城県出身のあいりさん(20)。
彼女はヨウさんとは違った形で古着店を開店していた。
彼女自身は、そこまで古着店に執着するわけではない。古着店を下北沢に開店したのも、「運用のための資金を作るため」と冷めた口調で話していた。
目標はお金持ちになることで、将来的には不動産の運用をやっていきたいと考えていた。
開店のための資金は全額を父親から借り、すでに1000万近くのお金を費やしているという。
「持っているものは使わないと」
彼女は悪びれることもなくそう言った。
ただ、お金に執着する余り、従業員を雇うことは抑えて、自分でできることはできるだけ自分でするというスタンスだった。
また、大学に通いながら、下北沢の店の運営も並行して行っていた。
ヨウさんとあいりさん。
この二人は目指すところも違うし、それを実現させるための手段も違う。
ただ、「下北沢で古着屋を開店」ということだけは同じだった。
銀行から借り入れという形でお金を借りて、その資金で店を開いたヨウさん。
父親からお金を借りて、その資金で店を開いたあいりさん。
大学を中退して、退路を断って店を開いたヨウさん。
大学に通いながら、店を切り盛りするあいりさん。
どちらが正解なのかは分からない。
次の日曜日に、この番組の後編が放映されるようなので見てみよう。




