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或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年01月
47/367

FIRE後に初めて受けた人間ドック(7)


「それでは内視鏡を入れていくので、力を抜いて楽にして下さい」




途中で口を閉じることがないように筒状の器具をくわえた私の口から、医師が内視鏡を入れていく。


喉に何かが通っていくような、強烈な異物感を感じる。


ゲエゲエなりそうになりながらも、それを必死にこらえた。








「胃に入りました。これから胃を膨らませるために空気を入れていくので、ゲップは我慢して下さい」




胃が膨らむような感覚がある。


今度はゲップを必死にこらえなければならなかった。




「ピロリ菌の除菌をした人に見られるような収縮性の胃炎はあるのですが、それ以外は問題ないです」




涙目になりながら、医師の言葉を聞く。




「それでは最後に十二指腸を見ていきます」




体の中のどこまで内視鏡が入っているのか、もはや体感では分からない。




「十二指腸も全く問題ないです。それでは、内視鏡を抜いていきます」




体の中をチューブが動いていく感覚を覚える。


それが最後喉を通って、ようやく喉に感じ続けていた猛烈な異物感は消えてくれた。








内視鏡が体の中に入っていたのは、時間にしては十分程度のものだったと思う。


口を開け続けていたので唾液は、頭の下に敷いたシートに垂れ流しになっている。看護師から新しいシートを貰って、唾液で汚れた口を拭いた。




最後に医師から、「特に問題はないですね」という言葉を貰って、私は小さく頭を下げてからその内視鏡室を外に出た。








心のなかでは、胃カメラ検査という辛い検査が終わったこと、そして私の胃に何の異常も見られなかったこと、この二つにホッとしながら、人間ドック受診者用の休憩室に戻っていった。


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