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或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2026年01月
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カカオショック(2)


会社員時代、私は「お菓子」というものをよく食べる人間だった。




お菓子の中で特にチョコレートが好きだった。




かと言って、家で食べるわけではない。会社の居室で食べるのだ。








その当時の私にとって、仕事の合間に加糖飲料(缶コーヒー)と菓子チョコレートを食べることが、唯一と言ってもいいくらいのストレス対処法だった。


目の前の緊張を強いられる仕事を一つ終えると、自分へのご褒美として缶コーヒーとチョコレートを買う。そして次の「ご褒美」を人参にして、次の仕事に取り掛かる。そのようにして、私は自分が好きにもなれない仕事、自分に向いているとも思えない仕事に自分を追い立てる。そうでもしていないと、朝早くから夜遅くまで続く「仕事」をこなすことができなかった。








居室の横には自販機が置かれており、そこは私の行きつけの場所になっていた。


お金のことなんて全く気にしなかった。


「嫌な思いをして働いているんだ。このくらいのご褒美を自分に与えてもいいだろう」


そう自分に言い聞かせると、それに対して反論する思いは自分の中からすぐに掻き消される。




唯一気になったのは、自分の歯についての健康だった。


継続的に歯を加糖飲料に晒し続けることは、どう考えても歯には良くはない。そのことは痛いくらいに分かっていた。ただ、その思いも「ストレスに対処するためだ」という言い訳の中ですぐに力を失っていった。そのくらい、その当時の私は自分で自分をコントロールすることができなくなっていたのだと思う。








居室から少し歩くと、食堂の横に小さな売店が設けられていた。




種類はそれほど多くはなかったが、軽食や飲料が売られている。


勤務時間中でもその売店は営業を続けており、営業時間内であれば自由に物を買うことができた。




その売店も私の行きつけの場所だった。




私はその売店によく行き、そしてチョコレートをよく買っていた。



挿絵(By みてみん)


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