忘れられた人々(2)
先日見たドキュメンタリー番組。
「バタフライエフェクト ラストベルト アメリカ忘れられた人々」
ラストベルト。
英語で書くと「Rust Belt」となる。
「錆びついた地域」を意味する。
五大湖周辺の工業地帯を指しており、1960年代までは製造業で繁栄を謳歌していたが、それ以後は衰退していき、その地域には失業した白人労働者が溢れた。
なぜ衰退したのか。
アメリカ文化研究者の言葉が紹介されていた。
「外国の企業との競争に負けたこと
消費者の需要に変化が生じたこと
そして労働組合が強くなりすぎたことが原因である」
労働組合の一つ「UAW(全米自動車労働組合)」の会長に38歳でついたウェルター・ルーサーという男は、GM、クライスラー、フォードという三大自動車メーカーに賃上げを迫り、大幅な賃上げを獲得していく。
その結果、労働者の賃金は大きく上がっていった。
だけど、高い関税に守られていた米国製造業は技術革新を怠り競争力を失っていき、労働者の高い賃金も大きな重しとなった製造業は衰退の一途をたどるしかなかった。
似たような話を最近目にした気がする。
日本製鐵のUSスチール買収問題。
この買収に関しては、全米鉄鋼労働組合が強硬に反対しており、USスチールのライバル会社のクリフスと結託して、バイデン大統領に圧力をかけた。
バイデン大統領はその意向を無視することができなかった。
なぜなら、五大湖周辺の州は「スイング・ステ―ト」と呼ばれる、大統領選を左右する重要な州だったからだ。
その州の多くの白人労働者、「忘れられた人々」の指示を受けなければ大統領にはなれない。バイデン大統領は買収阻止に動くしか無かった。




