多重人格者(1)
多重人格という心の病がある。
これは現在では「解離性同一性障害」と呼ばれる。
その多重人格という存在を世間に知らしめた一人に、ビリー・ミリガンという男がいる。
先日、ビリー・ミリガンに関するドキュメンタリー番組を見た。
番組タイトルは、『多重人格者 ビリー・ミリガン 〜人の心の謎に迫る〜』。
番組紹介には次のように書かれている。
『24の人格を持つ男、ビリー・ミリガン。「1人の体に人格はひとつ」と思われた時代、世界に衝撃を与えた多重人格者(解離性同一性障害)。1977年、アメリカの連続暴行犯ミリガンは8歳の少年や19歳の女性、上品なイギリス人、乱暴な東欧人など多数の人格を秘めていると判明。
犯人はどの人格か?裁判で裁くことができるのか?社会はどう対応するのか?前代未聞のサスペンスを通して心とは?人格とは?
人間の内面の謎に迫る。』
ビリー・ミリガンに関しては、「アルジャーノンに花束を」を書いたダニエル・キイスによる、「24人のビリー・ミリガン」という本が有名だ。
この本は1981年にアメリカで出版され、日本語訳は1992年に早川書房から出版された。あのダニエル・キイスが書いた本、ということで日本でもそれなりに話題にはなっていた。
ただ私自身は「アルジャーノンに花束を」は読んだことがあるが、「24人のビリー・ミリガン」は読んだことがない。
「24人のビリー・ミリガン」はビリー・ミリガンへの数百回のインタビュー内容や関係者の証言を記したもので、1人の人間の中に複数の人格が共存するという「多重人格」の問題を初めて取り上げたことでセンセーションを引き起こした。
今回の番組で初めて知ったのだが、この本は、ビリー・ミリガン本人がダニエル・キイスに執筆を依頼して書かれたものだった。




