傭兵たち(1)
ロシアがウクライナに侵攻したのが2022年2月24日。
もう3年半も前のことだ。
しかし、未だに終わりが見えない。
つい先日も、ハンガリーで予定されていたトランプ大統領とプーチン大統領の首脳会談が、トランプ大統領の「無駄な会談をしない」との言葉とともに見送りになったというニュースが流れていた。
少し前、この戦争に関する一本のドキュメンタリー番組を見た。
番組タイトルは、「傭兵たち ロシアに雇われたアジア人」。
番組紹介には次のように書かれている。
「報酬にひかれたネパール人は後方支援のはずが前線に。
戦場の動画発信で10万人のフォロワーを得た中国人はドローン攻撃で負傷。再び送られた戦場で見たのは死体の山だった。
モスクワのタクシー運転手だったキルギス人は覚えのない罪で刑務所に。ワグネルに入り戦場に行く契約書にサインさせられた」
2025年にシンガポールで作成されたドキュメンタリー番組だ。
ロシアがアジア各国からどのようにして傭兵を集め、そして戦場に送っているのか。それを、実際に傭兵としてロシア軍に参加したことのある当事者のインタビューを軸に描いていた。
どのような国の人々が、傭兵として戦争に参加しているのか。
そしてどのような動機で参加しているのか。
あるネパール人は、高額な報酬に惹かれて傭兵に参加したという。
ネパールは南アジアの最貧国の一つに数えられ、1人あたりのGDPは南アジアで最低水準となっている。国内に主要な産業は観光業くらいしかなく、多くの国民が海外出稼ぎで生計を立てているような状態だ。
そのような隙間に入り込んで、ロシアはネパールから多くの傭兵をかき集めていた。




