転職したときの話(2)
転職をするにあたって、私は二つの「目標」を設定した。
一つ目は、「次ステップに進むための経験を積む」こと。
転職をしたとしても、私の最終目標は「経済的自由を獲得して、企業や国に束縛されずに自由に生きられる状態をつくる」ことだった。
そのことは全くぶれることはなかった。
私は「会社で働く自分」に全く未来を見出すことができなくて、一日も早く会社という枠組みから離れることだけを考え続けていた。
私にとっての転職の先の「次ステップ」とはFIRE以外のなにものでもなかった。
そのFIREという目標に最終的に進むにあたって、その前に別の会社で働くこと、つまり、今までとはまったく違った環境で過ごすという経験をすることは悪いことではないのではないのかと思ったのだ。
FIREというものは当然、生活環境も生き方も大きく変わることになる。
その人生における大きな変化に進む前に、「転職」というまた別の人生における大きな変化を経験するということは、生き方や人生に対する柔軟性であったり、広い視野を持つ上で大きな経験になるのではないのかと思った。
今では転職は当たり前の時代になっているのかもしれないが、私が新卒で就職した企業Aではまだまだ転職は珍しかった。歴史のある古い会社だということもあるのだろうけど、新卒で入ったら定年までそこで働き続けるのが当たり前といったような会社だった。
私の周りにも、企業Aでずっと働き続けて定年間際の社員も多くいた。
そのような会社で私は製品開発の仕事をしていた。
そして私が転職先として選んだ企業Bも、国内メーカーだった。
この会社もそれなりに歴史があり、それなりに規模の大きな会社で、一般ユーザー向けの製品も多く作っていることもあって世間的な知名度も高かった。
企業A、企業B、この二つの全く別な会社で製品開発という仕事を行い、そしてこの世の中に実際に商品として送り出すということ。
そのような経験はきっと誰もができるわけではない。
その経験をして私自身の視野を広げることが、そして人生の幅を広げることが、最終目標である「FIRE」に進むにあたって私の大きな財産になるのではないのかと思った。




