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或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年08月
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第二の人生の始め方(3)


今までの仕事を辞めて、プロのグラスハープ奏者を目指す一人の男。




彼のもとに舞い込んだ一つのチャンス。




グラスハープという珍しい楽器を演奏している男がいるということを伝え聞いた、ある楽団の関係者が、その楽団とグラスハープとのコラボレーションを企画したのだ。








依頼を受けた男は、コンサート会場に向かう。


その会場は大きな会場だった。


舞台の上にいつも演奏で使っている大きな荷台の取り付けられた自転車を運び込もうとする。そこで一つの問題が起こった。その自転車が大きなスペースを取ってしまうため、楽団と自転車の両方を舞台の上にあげることができなかったのだ。仕方なく、自転車は舞台の前に置かれることになった。




彼はいつものようにグラスに水を入れ、調音をしていく。








本番が始まった。




多くの観客の前に、男の演奏するグラスハープの音が鳴り響く。観客たちも盛り上がり、コンサートは大成功だった。








結局彼は、プロのグラスハープ奏者になることができたのか。




番組ではその結末をぼかしていて、彼の結末がどうなったのかはよく分からない。




だけど、時間の経過とともに彼が大きな会場でソロコンサートを開催している映像が番組最後に流れていた。なので、おそらく彼は「プロのグラスハープ奏者」という目標を達成したのだろう。








51歳で仕事を辞めて、グラスハープに挑戦した一人の男の物語だった。




彼にとってはそのグラスハープ奏者というものが「第二の人生」だった。


きっと、51歳でその新しい道に進むというときに彼の中にもいろいろな葛藤はあったのだと思う。夜も眠れないくらいの不安もあったのだと思う。それでも、彼は新しい道を進むことを決めた。




私も23年末に会社をやめて全く新しい道に進んだ人間だったので、その彼の姿にどこか自分の姿を重ねていた。



挿絵(By みてみん)


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