人体と機械の融合を求めて(3)
「AMI切断」の実験体になることを引き受けた男性。
彼は足を「AMI切断」という手法で切断した後、MITの実験室で義足の実験に参加する。
残された足の先に電気センサーを取り付け、脳で「足を動かす」と指示した際に足に発生する筋肉の緊張を検知する。そしてその信号に同期するようにして、義足の関節に取り付けた駆動装置を稼動させて、義足の関節を動かす。
番組では、その様子を映し出していた。
被験者の男性が「足を動かす」と考えるだけで、自分の実際の足のように義足の足首が動き出す。
彼はその義足で遊ぶかのように、義足を動かしていた。
そして、「不思議な感覚がする」と呟いた。
まるで自分の本当の足のように、考えただけで義足の足が動く。そして自分の目で実際にその動作を見る。その感覚は、その義足がまるで本当の自分の足であるかのような錯覚を彼にもたらしているようだった。
始めはその義足を自分の足に装着せずに、義足を動かす実験を行い、そして次のステップで実際にその義足を装着して段差を登り降りする実験を行う。彼はその義足を自分の足のように動かしながら、その段差の登り降りを行っていた。
この義足に関する発明は、2004年タイム誌の健康部門トップ10の発明の一つに選ばれたという。
ヒュー・ハーは番組でのインタビューの中で、「健常者でも自分の身体能力を上げるために、自分の足を切断して機械の足に付け替えるような未来も来るかもしれない」と述べていた。
確かに機械の足であれば本物の足よりも大きな力を出すこともできるだろうし、電源さえ供給しておけば「疲れて動かなくなる」ということもなくなる。
本当に、そのような未来は訪れるのだろうか。
空想の中のその「未来」は、どこか不気味ですらあった。




