FIRE生活者でも人間ドックは受けたい(2)
企業Bに勤めていた頃は毎年会社で定期健診を受けていたし、また健康保険組合でがん健診の補助もしてくれていたので、がん健診も一年に一回は受けるようにしていた。
がん健診は希望制の健診だったので、社員の中では面倒くさがって受けない人も一定数はいた。健診は平日にどこかの病院に行って行う必要があり、そのために有給を取得しなければならない。それらもろもろの手間を惜しんだ人が一定数はいたということなのだろう。
だけど、私は
「検査をしなかったから発見が遅れた。そして手遅れになってしまった」
と後悔をするのが嫌だった。それにそもそも手出しの費用がなくがん検診を受けられたので、仕事の都合をつけて有給を取得して、その健診を毎年受けるようにしていた。
毎年のがん健診では「慢性胃炎」を指摘されることが多かった。
前職でもがん検診を受けた際に「慢性胃炎」を指摘され、ピロリ菌感染があると診断された。ただその時は除菌治療を受けることはなかった。おそらくそのせいもあって「慢性胃炎」が解消されることが無かったのだろう。
色々と調べてみると、ピロリ菌感染は胃がんリスクを上げるらしい。
実際に「慢性胃炎」も症状として現れており、中々解消してくれない。
これはまずい。
ということで、まだ企業Bに勤めていた23年1月に、重い腰を上げて私は駅前の消化器内科を受診した。
ピロリ菌除菌治療は、一週間除菌のための薬を飲み続けることになる。そして一定期間が経った後に、ちゃんとピロリ菌が除菌されているかどうかを調べる検査を受けるのだ。中には一回の治療では除菌できない場合もあり、その時は別の薬で除菌治療を続ける必要があると医師から言われていた。
その検査の結果は、「ピロリ菌除菌治療成功」だった。
呼気からはピロリ菌は検出されなかった。
私はその結果を聞いて、ホッと胸を撫で下ろした。
今回の人間ドックでは、そのピロリ菌除菌後で初めて受ける健診だった。
慢性胃炎の症状がどうなっているのか。
それを確かめたかった。