ガラスの天井(1)
6月7日の日経新聞に、次のような記事が載っていた。
「将棋連盟会長に清水女流七段 羽生九段の後任
日本将棋連盟は6日、東京都内で通常総会と理事会を開き、任期満了で退任した羽生善治会長(54)の後任に清水市代女流七段(56)を選んだ。
任期は2年。清水新会長は女流棋士で、棋士でない女性が会長に就くのは初めて」
将棋連盟の会長が、羽生善治氏から清水市代氏に代わったことを報じる記事だ。
清水氏はいわゆる「女流棋士」であり、「棋士」とは違う。
その女流棋士が将棋連盟の会長に就くのは異例だという。
記事では次のようにも書かれていた。
「将棋界には棋士と女流棋士の2種のプロ資格があり、棋士になった女性はまだいない。
将棋連盟の会長職は、大山康晴十五世名人や中原誠名誉王座、谷川浩司十七世名人らトップ棋士が務めるのが慣例となってきただけに、棋士でない清水女流七段が就くのは異例の人事となる。
清水新会長は記者会見で「(女性である自身が会長に選ばれたことは)将棋界にとっては挑戦。(女性会長が)私が最初で最後にはならないように、今後の女性、女流棋士の活躍が望まれる」と語った」
清水氏は女流棋士の第一人者の一人で、女流タイトル獲得数は歴代2位の43期を誇る。
ちなみに1位は福間香奈氏の60期。
女流棋士の中でも群を抜いている。
その福間氏でも、女性初のプロの「棋士」になるという壁を乗り越えることができなかった。