女流棋士の挑戦、棋士への道(1)
少し前に、ある一つのドキュメンタリー番組を見た。
番組タイトルは、「女流棋士から棋士へ 〜西山朋佳 次の一手〜」。
番組紹介には次のように書かれている。
「今年1月、ひとりの“女流棋士”が大きな注目を集めた。
将棋界初の女性の”棋士”誕生へ、あと一歩まで迫った西山朋佳女流三冠(29)。
実力さえあれば性別に関係なく門戸が開かれた“棋士”への道だが、将棋連盟101年の歴史で、未だ“女性棋士”は誕生していない。
西山らは、“棋士”とは別の枠組み“女流棋士”を主戦場として戦っているのだ。
近い将来、“女性棋士”誕生の瞬間は訪れるのか?
西山ら“女流棋士”たちの戦いと葛藤の日々を見つめた」
女流棋士である西山朋佳氏を取り上げたドキュメンタリー番組だった。
番組では、西山氏が今年の一月に挑戦した「編入試験」の模様を映していた。
将棋の「棋士」になるためには、現在は二つの方法がある。
一つは奨励会に入会して四段に上がること。そしてもう一つは編入試験に合格すること。
奨励会で四段に上がることができればプロの棋士になることができる。奨励会に入会した人たちの中で実際に四段まで到達することができるのは15%程度だという。
奨励会には年齢制限があり、満26歳の誕生日までに四段に上がれなければ強制的に退会になる。もしそうなると、今まではプロの棋士になる道は永久に閉ざされてしまっていた。
そのような中、プロの棋士になるためのもう一つの制度が2014年に導入される。それが「編入試験」だった。