表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年05月
182/310

裁判所ガイドツアーに参加してきた(13)


時間がやってきたのか、ガイド役の裁判官が傍聴席から静かにすっと立ち上がった。




裁判中は傍聴席で会話をすることはできない。


ガイドツアーでの裁判傍聴の終わりの合図として、事前にそのガイド役裁判官から、「時間が来たら私が傍聴席から立ち上がるので、それを見て皆さんも法廷の外に出てください」と説明を受けていた。




被告側企業代表者の本人尋問の途中で、これから事件の核心に入っていくというところだったので名残惜しかったが、こればかりは仕方がない。私たちはガイド役の裁判官の後について、法廷の外に出た。








その後は、別の法廷に移るとのことだった。


ただし今回は裁判を傍聴するのではなく、ベテラン裁判官も参加してガイドツアー参加者からの質疑応答が行われる予定だった。




その法廷に入って、先ほど傍聴していた事件についてガイド役の若手裁判官から補足の説明を受けていたときに、3人のベテラン裁判官が法廷に入ってきた。そして最後の質疑応答が始まった。




ガイドツアー参加者からいくつかの質問が挙がる。








「裁判官の一日のタイムスケジュールは、どのようになっているのでしょうか?」




「9時から17時までは裁判に出席しています。そして17時以降に判決を書くということが多いです。


土日のどちらかは仕事をしていますね。残業代はつきません」








「裁判官は、一人何件くらいの事件を受け持っているのでしょうか?」




「部門によって多少違いますが、100件から200件くらいになると思います」








ライフワークバランスなんてあったものではないな、と思いながら、そのベテラン裁判官の回答を聞いていた。どこか「使命感」のようなものがないと務まらないような仕事なのだろう。




三人のベテラン裁判官の中に女性の裁判官が参加していた。




彼女は子育てもあるので、17時には裁判所を退庁しているし、土日に裁判所に来ることはないと言っていた。


ただ、その回答に対して、もう一人の裁判官が、


「そのような人は、家に仕事を持ち帰っています」


と簡単な補足を付け加えた。








いずれにせよ、激務であることに変わりはないようだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ