裁判所ガイドツアーに参加してきた(7)
裁判所ガイドツアーでは、実際の裁判官が案内役としてそのツアーに参加していた。
1班、2班と二つの班があり、私が組み入れられた1班を担当した裁判官は、まだ30代前半と思われるような若い男性裁判官だった。2班の担当裁判官も、同じように若い男性裁判官だ。若手の裁判官の仕事として、「ガイドツアーの案内役」というものもあったりするのだろうか。
私たちはさっそくエレベーターに乗って5階に向かう。
実際に裁判で使用する「507号法廷」で、ガイドツアーの導入としてその案内役の裁判官が民事裁判の流れについてや、傍聴のポイント、注意点についての簡単な説明を行うことになっていた。
エレベーターが5階に着き、ガイドツアーの参加者が裁判官に続いてぞろぞろと降りていく。
フロアは人も少なく、ひどくひっそりとしていた。
エレベーターから少し歩いたところに、ガラス張りのドアが並んでいて、それぞれが「法廷」となっている。案内役の裁判官の指示に従って、私たちはそれらの法廷の一つである「507号法廷」に入った。
初めて入るその「法廷」はひどくこじんまりとしていた。
裁判の中でも簡単な裁判を行うための法廷だったのかもしれない。
部屋に入って正面に裁判官が座るための一段高く設けられた座席がある。その座席の前に並ぶように速記官の座る座席があった。私たちが法廷に入ると、すでに速記官の席に一人の男性が座っていた。
裁判官と速記官の座席の正面に、彼らに向かうように証言台があり、その証言台を左右で挟み込むように原告と被告の席が向かい合わせに設けられている。
ここが、実際に裁判が行われる法廷なのか。
初めて見る「法廷」にちょっとした感動を覚えながら、私は傍聴席の一つに座った。
案内役の裁判官は傍聴席から法廷側に入って、そこで民事裁判の流れについて簡単に説明していく。
その説明の中で興味をひかれたのが「ウェブ会議」だった。
民事裁判では法廷に来ることができない人(証人等)のためにウェブ会議で参加することもできるらしい。ウェブ会議ではTeamsが使用されており、最近そのような形の裁判も増えているとその裁判官は口にした。