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或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年05月
175/312

裁判所ガイドツアーに参加してきた(6)


裁判所のロビーのソファーは、ちょうど昼休み休憩の時間と被っているからなのか、多くの人たちが座っていた。




一人分の隙間をなんとか見つけて、そこに座る。








隣では、スーツを来た中年の女性が、裁判所の職員と思われる女性に対して保険の営業を行っていた。


その職員に、いくつかの保険を勧めている。


また、世間話といった形で、仕事内容についても簡単な質問をしていた。




私は特に聞き耳を立てている訳でもなかったが、その二人は私のすぐ隣に座っていることもあって、その会話が耳に入ってくる。








保険の外交員が裁判所の職員に、「仕事は9時5時なんですか?」と尋ねる。


するとその職員は、


「いえ、朝は8時半からなんですよ。家からここまで一時間以上も通勤でかかるので、毎朝7時前に家を出ているんですよ」


と答えた。




こんな都心に毎朝通勤するとなると通勤ラッシュも大変なんだろうな。そんなことを漠然と考えながら、私はスマホでウェブニュースを眺めていた。








そのようなことをしているうちに、ようやく集合時間の12時40分になった。




ロビーの中央で、ちょっとした人だかりができている。


腕に黄色い腕章をつけた人の前に、行列を作っていた。




おそらく今回の裁判所ガイドツアーの受付なのだろう。そう思い、私はその行列に近づく。思った通り、ガイドツアーの事務局の人が、ガイドツアーの受付を行っていた。私は行列の一番最後に並ぶ。そして私の番がやってくると、その事務局の女性に私の名前を告げた。




「◯◯さんですね。今日は1班になります」




ガイドツアーの参加者は二つの班に分かれて裁判傍聴をおこなうようだった。私は1班の集まりに近づき、そこにいた別の事務局の人から、今回のガイドツアーの資料を受け取った。




参加者の人数を数えてみると、私を含めて16人いた。


8人ずつで二つの班に別れている。定員は20人だったはずなので、4人は欠席になってしまったのかもしれない。


どのような人が裁判所ガイドツアーに参加するのだろう、と思っていたが、中高年の女性の姿が多かった。ガイドツアーは平日の午後に行われる。だから参加者は時間に余裕のある主婦か、あるいは、フリーランスとして時間が自由になる仕事をしている人か。そのような人たちなのかもしれない。




男性は、私を含めて2人しかいなかった。


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