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或る人のFIRE日記  作者: 鷺岡 拳太郎
2025年05月
172/314

裁判所ガイドツアーに参加してきた(3)


霞ヶ関駅のA1出口から地上に上がる。




直ぐ目の前に大きな建物が見えた。


門のところに歩み寄ると「裁判所」と掲示されている。ここが裁判所のようだった。建物内に今回の目的地である東京地方裁判所と、東京高等裁判所が併設されている。




一応目的地の場所を確認し終えてスマホで時間を確認するとまだ正午を少し回ったくらいだった。集合時間は午後12時40分。入庁の際に手荷物検査があるので時間に余裕を見て来てくれとメールには書いてあったが、20分くらい前に入れば充分だろう。その時間を考慮しても15分くらいは時間に余裕があった。








私は裁判所の前を通り過ぎ、そのまま桜田通りを直進する。




裁判所の隣に、赤レンガで作られた、ひどく時代を感じさせる建物が建てられていた。なんだろうと思い、その建物の前に設けられた門に視線を送る。そこには「法務省」と書かれていた。








法務省の建物が、こんなに時代がかった建物だということを初めて知った。




後になって法務省のHPでその来歴を調べて見ると、その「赤レンガ棟」は、ドイツ人建築家ベックマンとエンデ両子の設計にかかるもので明治28年に司法省として竣工された。現在は重要文化財に指定されているらしい。




法務省の官僚は、この建物の中で毎日働いているのだろう。


このような場所で働くのはどういう気持なのだろうか。




そのようなことを漠然と考えながら、その赤レンガ棟の前を通り過ぎる。








時刻は正午を少し回ったくらいで、昼食を食べに外に出ているのかその桜田通りの歩道は多くの人が歩いていた。ワイシャツ姿やスーツ姿の人たちが、首からIDをぶら下げている。




おそらく霞ヶ関で働いている官僚の人たちなのだろう。




若い人もいれば、年配の人もいる。


ただ、どこか皆自信ありげに歩いていた。




彼らの心のなかには、「自分がこの国を動かしている」というような矜持があるのかもしれない。


それが身体から発散されている「自信」として現れているのかもしれない。








私は少し背中を丸めるようにして、彼らの中を黙って歩き続けた。


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