自分の体が動かなくなる病気(2)
番組で取り上げられた、ある一人のALS患者の女性。
彼女は、2015年3月に、53歳でALSを発症した。
ALSと診断されたその当時のことを、彼女はカメラの前で語る。
ただし、「語る」といってももう言葉を発することはできず、視線の位置を読み取るカメラをベッドに取り付け、目の動きによって文字をキーボードで打ち込んでそれを音声化する。
「できないことが増えてくる度に
ALSかもと思う気持ちと
違うと言ってほしいと祈る気持ちで告知を受けましたが
ALSと言われると絶望だけを感じて
死にたいと言っていました
残酷な病気で受け止められずに
なぜ私なんだと思ってばかりでした」
ALS患者は自力で呼吸ができなくなるため、延命するには途中で気管切開手術をして人工呼吸に切り替える必要がある。
ALS患者は5、6年で呼吸の麻痺が起こり、自分では呼吸ができなくなる。
人工呼吸に切り替えないと、生き続けることはできない。
ただし、一度気管を切開して人工呼吸器をつけると、外すことができずやがて寝たきりになってしまう。自分では身体を動かすことができない。介護をする家族に多大な負担がかかってくる。
それもあって、「家族に負担をかけたくない」と人工呼吸器をつけない選択をするALS患者は約7割にのぼるという。
番組で取り上げられているALS患者の女性も、人工呼吸器をつけるかどうかの判断を迫られることになる。