実家のパソコンの初期設定をしてきた話(4)
メールの設定が終わった段階で、私が家に帰る時間になっていた。
Microsoftアカウント設定におけるエラー、メール設定におけるエラー、その二つのエラーの対応があり、想定よりも時間がかかってしまっていた。まだしなければならない設定やソフトのインストールがいくつか残っている。
ただし、メールの送受信はできるようにはなったし、Officeも使えるようになっている。プリンターも問題なく印刷できている。一応は、父がパソコンを使って日常の作業で行っているものは一通りできるようにはなっていた。なので、その日はそこで新パソコンのセッティングを終了させて、残りは、再び1週間後に私が実家に訪れて行うことにした。
私が帰宅の準備をしていると、母が次のようなことをぼそりと口にした。
「こんなパソコンの設定なんて、自分たちのような高齢者の人だとできないだろうに。どうしているんだろうね」
確かに、と私は思った。
我が家のように、パソコンにある程度詳しい子どもや孫がいれば、彼らに代わりにやってもらうこともできるかもしれないが、そのような人が身近にいない人も世の中にはいるはず。
父はそんな母の言葉を受けて、
「セッティングを代行してくれるサービスを使っているんじゃないか」
と話した。
私が自宅に着いたときには午後6時を回っていた。
時々実家に顔を出しているが、その時もだいたいそのような時間帯に家に戻っている。
ただしその日は、朝から実家に行っていたということ、そして実家ではずっと新パソコンのセッティングをやっていて、途中途中のトラブルに色々と対応していたこともあって、家に帰ったときの私は本当にへとへとに疲れていた。
会社員時代は、毎日のように心身ともに疲弊した状態で家に帰っていた。
FIRE生活に移行して、そのように心身ともに疲弊するような状態からは脱することができた。
ただし、会社員時代よりも、いきなり何か重たい作業などをすると疲れやすくなっている気もする。
ある意味では、会社員時代はそのような毎日が当たり前だったから、どこかでそのような生活に慣れていて、またそのような生活に耐性ができていたのだろう。
それが今は無くなり、ストレスに対する耐性が落ちているのかもしれない。
ただ、たとえそうだとしても、会社員時代のほうが良かったとはとても思えない。