オンラインカジノの闇(4)
オンラインカジノは、「監視」「分類」「操作」のステップでもってユーザーをギャンブル依存症にしていく。
オンライン化することによって個人情報を簡単に集めることができるようになり、またオンライン上のシステムでギャンブルの結果などを操作することによって、ユーザーをより効果的に依存状態に陥らせることができる。
ある意味では現代に根ざした病であり闇なのかもしれない。
私自身はギャンブルというものは一切やらない。
ギャンブルをやるくらいなら、もっと別のことに時間を使いたいと思っていた。
ただ、心の奥底では「もし一度嵌まってしまうと、きっと抜け出せなくなる」という思いを抱いていた。
私自身、自分を意思の強い人間だと思ったことはないし、だからこそ、「いかにして自分を律し、目指したいと思える目標に対して自分自身を行動させていくか」をずっと考えていた。そのように意識して自分を律していないと、簡単に堕落の道に堕ちてしまうと思った。
もし私がオンラインカジノのようなものをやってしまうと、それこそ番組で出てきた多くの「ギャンブル依存症患者」と同じようにギャンブルに嵌まっていき、抜け出せなくなってしまう気がする。
そのような懸念を持っていたからこそ、意識してそのような依存性のあるものからできるだけ自分を遠ざけるようにしていた。
番組で紹介された一人の患者。
彼は、「ギャンブルをしているときだけが幸せ」だと家族に話した。そしてギャンブルに嵌まっていき、借金を重ね、結果として仕事も失うことになる。
彼はギャンブル依存症患者支援団体の助けを借りて、支援施設に身を寄せることになった。その施設は、同じような依存症患者と共同生活を送りながら、ギャンブルから抜け出すことを支援する場所だった。
施設の中で始めは自分を取り戻しつつあった男性。
しかし、ある日、彼はその施設から失踪した。
彼は失踪する前、その施設の職員に「苦しくてたまらない」という言葉を残したという。
おそらくギャンブルで感じることのできた幸福感をどうしても忘れられなかったのだろう。