オンラインカジノの闇(2)
「ギャンブル依存症」は一つの病気であり、脳に機能障害が起こっている状態になる。
番組内では、ギャンブル依存症に苦しむ人たちの治療を行っている医師が出てくる。
彼は、ギャンブル依存症が他の依存症と違っている点として次の三つの点を挙げていた。
一つは、依存状態になるのが早いということ。
二つ目は、借金が多くなりやすいということ。
そして三つ目は、闇金とかに手を出して犯罪に巻き込まれやすいということ。
その医師の患者の中で借金が多い人は一億円にもなる人もいるという。
そのように多額な借金を負い、通常の金融機関では金を借りることができなくなった結果、闇金に手を出してしまう。そこまでいってしまうくらい、ギャンブルで大当たりするときの快感は強烈なのだということなのだろう。
また、番組の中では、一人の患者も取り上げられていた。
まだ20代の若い男性だったが、オンラインカジノに嵌まってしまい、借金を重ねてはその金をギャンブルで溶かしていく。
彼は自分の母親に向かって、
「ギャンブルやっているときだけが幸せ」
と言ったらしい。
しかし借金を重ねる中で、家族の周りにも借金の取り立てが姿を見せるようになる。そしてこれ以上家族に迷惑がかかることを苦にして、完全に家族とも連絡を絶つ。
そのような日々の中でもギャンブルは続けていて、結局会社も辞めてしまったという。
母親はギャンブル依存症の支援団体の代表者と一緒に息子を探し、ようやく彼が住むアパートを突き止め、彼の元を訪れる。
彼はカメラの前で、母親とその代表者に向かってどこか醒めたような口調で次のように語る。
「別に私個人のことであれば、生きようが死のうがそれはどうでもいいんですけど。
別に、生きてても楽しくないですし」
ギャンブルで味わう快感が忘れられず、ギャンブルに依存し、それ以外の人生が意味のないものに思えてしまう。
だから、後先を考えずにひたすら借金を繰り返す。
彼は、そのような状態にまで追い込まれてしまっていたのかもしれない。