コメにかけられている関税(2)
日米間税交渉で政府が米国産のコメ輸入拡大を検討している。
それは「ミニマムアクセス」という無関税で輸入する枠を拡大するという方法で検討されており、現状は約77万トンのコメがミニマムアクセスの枠で輸入されているが、その枠内に米国産の特別枠として7万トンを新設する案となっている。
コメ価格が急騰している中、備蓄米放出も行われていて、3回目の入札は4月21日の週に行われる。その3回目の入札は10万トンを対象とし、過去2回と合わせて計31万トンの放出となる。
その備蓄米放出でコメ価格は下がったのか。
ニュースでは、継続して上昇していたコメ価格がようやく上げ止まったということを報じていた。
ただし、私が食料品購入で使用しているスーパーにその備蓄米が並ぶことはなかった。あるいは並んでいるのかもしれないが、少なくとも私がそのスーパーに行くと、すでに売り切れてしまっているのか全く見当たらない。しまいには、備蓄米以外のコメも売り場からどんどん少なくなっており、前回見たときには、昨年夏の米騒動のときと同じようにその売場は空っぽになっていた。
何が起きているのか。
ここまでくると農水省には不信感しかない。
農家を守るために価格を維持する、あるいは価格を上げたいというのも分かるが、主食であるコメをいかに安定供給するかにもっと主眼を置いて活動して欲しいところだ。
安易に農家に補助金を出してコメの生産量を抑え続けた結果、今のような状況を作り出しているのだとしたら怒りすら感じる。
今回のミニマムアクセスでアメリカに与えようとしている枠は約7万トン。
放出した備蓄米31万トンと比べてもそれほど多いという量でもない。
しかし、その7万トンに対しても、江藤農相は、
「食料安全保障の確立や国民の将来への不安に寄り添うことになるのか大いに疑問だ」
と否定的な見解を示している。
また、「主食で自給可能なコメを海外に頼ると国内生産が大幅に減少しかねない」とも主張している。
コメ価格を維持するために、国内のコメの生産量を抑える。
コメ不足になると、対症療法のように備蓄米を放出するだけ。
「国内生産が大幅に減少する」と、ミニマムアクセス7万トン新設に頑なに反対する。
もっと他にやることがあるのではないのか。
そう思うのは私だけだろうか。